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「人生で一度も塾に行ったことない」東大生 自宅学習で活用した驚きのアイテムとは

公開日:  /  更新日:

著者:石川 遼

東大法学部3年生の吉田恵梨さん【写真:石川遼】
東大法学部3年生の吉田恵梨さん【写真:石川遼】

 日本の最高峰・東京大学(以下、東大)に合格する人たちは、どのように受験勉強を攻略していたのでしょうか。そのヒントを探るため、現役東大生に勉強法を振り返ってもらいました。今回ご紹介するのは、東大法学部3年の吉田恵梨さん。なんと、塾や会議室などで見かけるような大型のホワイトボードを自室に置いて、勉強に役立てていたそうです。その使い方とは。

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高校1年時の担任教諭のひと言がきっかけで東大を目指すように

 東大ア式蹴球部マネージャーとして選手のサポートをし、東大女子向けのフリーペーパー「biscUiT(ビスケット)」の制作に携わるなど、部活動やサークル活動を精力的に行っている東大法学部3年生の吉田恵梨さん。群馬県立高崎女子高校から東大へと進んだ吉田さんは、受験期にホワイトボードを活用した独自の勉強法に取り組んでいたそうです。

 吉田さんが通っていた高崎女子高校は、県内有数の進学校である一方、東大へ進学する生徒を毎年輩出しているわけではありませんでした。吉田さんの代も、合格者は彼女ただひとりだったそうです。

 また、吉田さん自身、初めから東大を志望していたわけではなく、高校に入学して最初の定期テスト後に担任から「東大を目指してみてはどうか」と提案されたことがきっかけだったそうです。それから高校1年生の夏にオープンキャンパスへ参加し、東大への憧れはしだいに大きくなっていきました。最初は「東大なんて受からないだろう」と思いながらも、負けず嫌いな性格もあり、途中で志望校を変えることなく東大一本で駆け抜けたといいます。

勉強の効率を重視 一度解けた問題はやらない

 東大受験ともなれば、やはり早い段階から塾に通っていたのでしょうか。そう問いかけると、吉田さんは「実は高校受験も含めて、人生で一度も塾に行ったことがないんです」と笑みを浮かべました。塾には通わず、独学で効率の良い勉強を追求していたと話します。

「自分としては、ありきたりなことをたくさんやって、頑張ってきただけだと感じています。そんなに突拍子もない勉強の仕方はしてこなかったと思います。ただ、勉強の効率はすごく意識していて、たとえば問題集をやるとき、一度でも解けた問題はそれ以上はやらないと徹底していました。問題集を周回するときに改めて最初から解く人も多いと思うんですけど、私は初見で解けた問題はやらないと決めていました。解けた問題に印を付け、解けなかったものだけ何回も何回も繰り返すようにしていました」

 そんな吉田さんに当時の勉強方法を聞くと、特徴的だったのはホワイトボードを活用したアウトプット法でした。使っていたのは卓上で使うコンパクトサイズのものではなく、会議室に置かれているような脚付きの大きなホワイトボード。それを自室に置いて勉強に使っていたといいます。そのことを、自身は特別なことのようには感じていなかったのか「そういえば……」と振り返り始めました。

「私、自分の部屋にホワイトボードを置いて勉強していたんです。とくに社会を勉強するとき、インプットして覚えたことをアウトプットして整理するために使っていました。たとえば、歴史上の出来事を表にして書き出したり、地図を書き込んだり。ただの紙でも良かったんですけど、より大きな場所にバンッて書き出したいなと思っていたんです。ホワイトボードを使う勉強法については何かで聞いたことがあって、高校受験のときに親に頼んで買ってもらいました。大学に入ってから個別指導の塾でアルバイトをしていたんですけど、そこでホワイトボードを使っていて、初めて見たときは私の部屋みたいだなと思いました(笑)」