カルチャー
寝る部屋と食事する部屋が同じ? 韓国人観光客が驚いた日本の旅館文化とは
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海外から日本にやってくる観光客数で国別最多となっているのが韓国人です。2月の旧正月に合わせて北海道を訪れた韓国人の母と娘が経験したのは熟練の中居さんが運ぶ料理と雪景色の露天風呂。名湯・登別温泉を堪能した親子は「こういう経験は韓国ではできないわね」と驚いたといいます。詳細を聞きました。
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雪景色の露天風呂はお湯がグリーン
65歳と34歳の韓国人母娘は4泊5日の日程で韓国から北海道にやってきました。最初の訪問地は札幌。次に向かったのが日本屈指の温泉地である名湯・登別温泉です。宿泊先として選んだのは立ち並ぶ大きなホテルではなく、川のせせらぎを背にたたずむこじんまりした純和風の老舗旅館。たきしめたお香がほのかにかおるロビー、中居さんのおもてなしと日本の風雅、かぐわしい香りの桧(ひのき)風呂、半世紀以上のこだわりを持つ会席料理…。
長女のユジンさんは源泉かけ流しの温泉にびっくりしました。「お湯の色が薄いグリーンで泉質もなめらかで柔らか。露天風呂に行くと雪が降っていたのですが、それがまた風情があって美しい光景でした。頭に雪が積もってしまいましたが、おかまいなしで20分ほどのんびりと湯につかっていました。もう体はぽかぽか。幸せとはこういうことですね」。
この後、さらに“幸せ”な出来事が待っていました。部屋に戻ると、食卓の準備が始まっており中居さんが会席料理を次から次へと運んできます。先付け、前菜7点盛り、旬のお造り、焼き物など全14品。料理に合わせてセレクトした「特選銘酒3点セット」も付いています。海の幸、山の幸とバラエティー豊富で見た目も美しかった、と言います。
親子を感動させたのは部屋の中で食事をとるという日本の旅館文化でした。「他にも海外をよく旅行しますが、寝る部屋と食事をする部屋が同じ、というのは初めての経験でした。まるで大切な客人として“招待されている”という感覚でしたね。夜も遅くなって眠かったので布団に入ってみると、ものすごくふかふか。久しぶりにぐっすり眠れました」とユジンさん。少し歩くと地獄谷の荒々しい風景が広がりますが、部屋での寝食はまさに“天国”にいるような貴重な体験だったようです。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)