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「プロは道具を選ばないのか…」 ミニチュア陶芸家が作ったねんど作品に称賛の声

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

市川さんが自作した小さな電動ろくろ「ゆびろくろ」【写真提供:ミニチュア陶芸家 市川智章(@ichinori1973)さん】
市川さんが自作した小さな電動ろくろ「ゆびろくろ」【写真提供:ミニチュア陶芸家 市川智章(@ichinori1973)さん】

 作業も落ち着いて、ちょっと一息。温めたお湯をポットに入れて、カップにお茶を注ごうとすると……あれ? ポットを持つ指とポットとの大きさのバランスが、何やらおかしいようです。そんな写真がX(ツイッター)で注目を集めています。作者のミニチュア陶芸家、市川智章(@ichinori1973)さんに詳しいお話を伺いました。

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100均のねんどで作ったとは思えない ポットとカップ&ソーサー

「100均のオーブンねんどで作った作品」

 そんなコメントとともに投稿された2枚の写真。1枚目には、100円均一ショップで購入したという黒い「オーブンねんど」が、2枚目には、一緒に写る指と比較してミニチュアサイズの黒色のポットとカップ&ソーサーが写っています。

 投稿は反響を呼び、7万件の“いいね!”が。リプライ(返信)には、「すげえ!」「すごいリアル」「プロは道具を選ばないのか……? すごいクオリティ」「100均のねんどとは、思えない出来栄え」「ねんどに命を吹き込むとこんな素晴らしい作品になるんですね」「弘法筆を選ばず」など、材料が100均のねんどとは思えない作品に称賛の声が寄せられています。

自作の電動ろくろを使って製作したミニチュアサイズの作品

市川さんが自作した小さな自作の電動ろくろ「ゆびろくろ」【写真提供:ミニチュア陶芸家 市川智章(@ichinori1973)さん】
市川さんが自作した小さな自作の電動ろくろ「ゆびろくろ」【写真提供:ミニチュア陶芸家 市川智章(@ichinori1973)さん】

 以前は趣味で一般的なサイズの作品を作っていたという、ミニチュア陶芸家の市川さん。小さな電動ろくろを自作したことがきっかけとなり、ミニチュアサイズの作品を作るようになったといいます。

 今回、注目を集めたのは、100円均一ショップで販売されている「オーブンねんど」で作ったポットとカップ&ソーサー。普段は、ミニチュア陶芸(本物の陶器)作りを教えているという市川さんですが、オーブンねんどを使った講座の開校準備のため、「テストとして使ってみた」そうです。

 実際に使ってみた感触は、「普段、使用している土とそれほど変わらなかった」といいます。制作時間はオーブンで焼く時間を除いて約1時間。自作の小さな電動ろくろを使用し、「4つの部品からできているポットを結合する作業が一番大変だった」と明かしました。

忙しい現代人にこそぴったりなミニチュア陶芸

 好きが高じ、現在は一般社団法人日本ミニチュア陶芸協会の代表理事を務める市川さん。「小さな作品作りが楽しくて、そればかりを作っていたときに、活動をするための肩書が欲しいと思うようになり、それからミニチュア陶芸家を名乗っています」といいます。

 一般的なサイズの陶芸と比べると、「作業が細かいことと、釉薬を掛ける作業が大変です」と話しつつ、ミニチュア陶芸ならではの良さもあるのだそう。

 その最大の魅力は、「隙間時間でも作業ができること」で、市川さんは、「忙しい現代人にこそぴったり」だとおすすめします。また、でき上がった作品自体も、とても小さいので、収納スペースに困らないこともポイントのようです。市川さんの作るかわいらしいミニチュア陶芸作品はXのほか、YouTubeで制作過程を公開中。見ているうちに、自分でも作ってみたくなりそうですね。

(Hint-Pot編集部)