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おでんは何から食べる? 冬太りを回避するポイントは「食べ順」 栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

熱々のおでん(写真はイメージ)【写真:写真AC】
熱々のおでん(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 寒い日に食べたくなるものといえば、おでんです。大根やこんにゃくなどの具材から、おでんにはヘルシーな印象がありますが、食べ方によっては糖質や塩分過多になり、むくみなどの原因になることも。2月22日は「おでんの日」。「ふー、ふー、ふー」と熱々おでんをおいしく食べつつも、冬太りは回避したいところですよね。記念日にちなみ、おでんの食べ方の工夫について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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大量に作った場合はあらかじめ皿に移して食べ過ぎ防止

 冬の時期食卓に登場する頻度が高まるおでん。具材は、地域によって独自のものもありますが、一般的には、大根やじゃがいもなどの野菜系、ちくわやはんぺん、さつま揚げ、がんもどき、厚揚げなどの練り物や揚げ物系、こんにゃくやしらたき、昆布、そして卵や餅巾着などがあります。

 コンビニエンスストアで売られている、一般的なレトルトおでん1人分(486グラム・大根、卵、さつま揚げ、焼きちくわ、昆布、豆腐揚げボール、こんにゃく)のエネルギー量は、184キロカロリー。この範囲で食べる分には低カロリーの料理といえます。

 ただし、家庭で分量を多めに大鍋で作る際には、食べすぎに注意してください。あらかじめ食べる分だけを皿に移し、目で確かめてから食べると、量を把握でき、食べすぎ防止につながります。おかずとしてごはんと一緒に食べるなら、餅巾着やちくわぶといった糖質の多いものは1個にしましょう。

食べ始めは、食物繊維が多いものをチョイス

 好きな具材から食べたいところですが、もし体重増加が気になる場合は、「食べる順番」に気をつけるのも工夫のひとつ。食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることが、太りにくい体づくりにつながるとされています。おでんも、そのような具材から食べることを心がけるのと良いでしょう。

 たとえば、こんにゃくやしらたきなど水分と食物繊維が多く、エネルギーの低い具材を先に食べてお腹を膨らませます。昆布、または大根などの野菜類も食べ始めに良いでしょう。たんぱく質を多く含む肉や卵、練り物や揚げ物などは、こんにゃくや野菜類を食べてからのタイミングで。糖質の多い巾着餅やちくわぶは、ほかの具材を食べてからのほうが良いでしょう。

 おでんは汁もおいしいですが、飲まないようにしましょう。はんぺん、さつま揚げ、ちくわなどの練りものなどの具材には塩分が含まれており、それに加えておでんの汁まで飲むと塩分摂取量が過多となり、高血圧やむくみの原因になります。

おでんに不足しがちな栄養もプラス

 おでんは具材によってさまざまな栄養がとれますが、傾向としては野菜が少なく、ビタミンCやβカロテンが不足しがちに。熱に強いビタミンCを持つジャガイモや、βカロテンが豊富なニンジンも具材として選ぶと良いでしょう。

 または副菜として、冬に旬を迎えるホウレン草や春菊などのあえものなどもおすすめです。箸休めとしても良いですね。ほかにも、ミカンやイチゴ、リンゴなどの果物を食後のデザートにすると、栄養バランスが整いますよ。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾