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ヘルシーなおでん 食べすぎ要注意な理由とは 栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実
2月22日はおでんの日。「越乃おでん会」によって2007年に制定され、熱々のおでんを食べるときに息を吹きかけて冷まそうとする音「ふーふーふー」が由来しているそうです。おでんといえば、栄養バランスが良くヘルシーなイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか? 元家庭科教諭で栄養士の和漢歩実さんに、おでんの栄養について伺いました。
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おでんのメリット さまざまな栄養が摂取
おでんは地域によって特色があり、だしの味については一般的に関東風と関西風があります。関東風は味が濃いめで濃口しょうゆ、みりん、酒を使用。関西風はだしを生かし薄口しょうゆ、塩、酒などで味付けし、味も見た目も薄めに仕上げます。
具材は地域によってさまざまです。北海道では長方形のさつま揚げが使われ、山菜や貝類を入れるのが一般的。宮城県にはサンマのつみれを加えるおでんも。東京ではちくわぶ、はんぺん、ゴボウ巻きなどの練り物が好まれ、大阪ではタコ足や牛すじが人気です。一般的に肉や魚、野菜とさまざまな種類の具材を煮込んで作るため、一皿で多くの栄養を摂取できる料理といえるでしょう。
近年、コンビニエンスストアのおでんは個食に対応したレトルトのものもあり、少量でも気軽におでんを楽しめるようになりました。
一般的なおでんの具材 それぞれの特徴
人それぞれ好みがあると思いますが、一般的なおでんの具材でそれぞれの栄養成分を見ていきましょう。
○大根
ビタミンCを多く含みますが水溶性で熱に弱く、またでんぷん分解酵素のアミラーゼも熱に弱いので、加熱すると損失してしまいます。栄養成分のメリットをいただくとしたら、さつま揚げなどの練り物におろし大根をのせていただくのも良いでしょう。
○がんもどき
水気を切った豆腐に、野菜や昆布などさまざまな食材を混ぜて丸めて油で揚げたもの。豆腐は“畑の肉”といわれる大豆を原料とするのでたんぱく質が豊富。野菜や昆布などが入っているのも良い点です。ゆがいてから調理すると余分な油が取れてカロリーカットでき、味も良くなります。
○昆布
うま味成分のグルタミン酸が含まれています。水溶性食物繊維のアルギン酸やフコイダン、カルシウムやカリウム、ヨウ素などのミネラルも豊富。ぜひおでんの具材に加えたい食材です。
○ゆで卵
卵といえばたんぱく質が有名ですが、食物繊維とビタミンC以外のすべての栄養素を含む万能食材です。
○こんにゃく
約97%が水分ですが、水溶性食物繊維のグルコマンナンを含む具材です。お腹の調子を整えることが期待されています。
○つみれ
魚のすり身を練って団子状にした具材。たんぱく質をはじめ、血液の健康や脳の働きに期待される不飽和脂肪酸EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれます。
○さつま揚げ、はんぺん、ちくわなどの練り物
それぞれ魚を原料としているため、つみれと同じ栄養価が期待できます。