ライフスタイル
間違えやすい「桜・桃・梅」 花のプロが教える見分け方 それぞれの違いをわかりやすく解説
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:のなか りえこ
「桃の節句」ひな祭りに飾ることでなじみがある桃の花。かわいらしいピンクの小花が、桜や梅と似ているので、混同しやすく、見間違えることもあります。日本の春を代表する桜、桃、梅の花には、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。見分け方の“極意”を、フラワー&グリーンコーディネーターののなかりえこさんに伺いました。
◇ ◇ ◇
花が咲く順番や開花時期の目安とは
桜、桃、梅は、日本の春を感じる花として、古くから親しまれてきました。いずれもバラ科の花木で、白やピンク色を基調とした可憐な花を咲かせ、愛でる人の心を癒やします。
それぞれの花が咲く時期は、地域や品種の違いに加え、近年の気候変動で一概には言いにくくなっていますが、咲く順番としては梅・桃・桜の順が一般的です。開花時期の目安として挙げると、「早春の花」といわれる梅は1月から4月、ひな祭りでもなじみがある桃は3月から4月、そして桜は3月中旬から5月初旬にかけて。地域によっては、3つの花が同時期に咲くこともあります。
見分けるポイントは花びらの先端、軸、幹
桜、桃、梅は、花の大きさや色合いも似ているので、一見なかなか区別がつきにくいかもしれません。花弁の形(花びらの先端)や軸(花柄)、幹の表面(幹肌)の違いで見分けるとわかりやすいでしょう。品種によって異なりますが、代表的な特徴を紹介します。
まず桜について。日本には山野に自生している野生種が10種、園芸品種は100種類以上あるといわれています。品種によって程度の違いはありますが、花びらの先端が割れて、ハートのような形をしているのが特徴です。花柄は長く、枝からこぼれるように立体的に咲きます。また、同じ付け根から複数の花をつけるので、花数が多く華やかな雰囲気です。幹の表面は、赤茶色でごつごつとした横縞模様になっています。
桃は、花びらの先が尖っているのが特徴です。同じ付け根から2輪の花がさまざまな向きで咲き、華やかさがあります。花柄がとても短いので、枝に沿うような花姿に。幹の表面は、白っぽい色で、斑点模様があり、つるつるとしています。花と同時に葉が開き、葉の形は楕円形です。
梅は品種が多いのですが、多くは丸い花びらをしているのが特徴です。花柄がほとんどないので枝にくっついたような形で咲きます。同じ付け根から1輪しか咲かないので、2輪咲く桃と比べると控えめな印象です。幹の表面は黒く、ざらざらしています。花が咲いているときは、葉がありません。
もし迷ったら、花びらだけでも形をチェックしてみてください。例外もありますが、「ハートは桜、とんがりは桃、丸は梅」です。季節を代表する花を見比べて、春を楽しみたいですね。
(Hint-Pot編集部)
のなか りえこ
フラワー&グリーンコーディネーター。インテリア商材を扱う仕事から花の世界へ。現在はフリーで活動中。花と植物に関する提案・制作(装花・装飾・植栽など)を中心に行う。
インスタグラム:euh___piece