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哺乳瓶などの電子レンジ消毒、NGな理由 メーカー側「食品の加熱を前提に商品の設計」

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著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

哺乳瓶の消毒方法が議論に【写真:写真AC】
哺乳瓶の消毒方法が議論に【写真:写真AC】

「電子レンジは調理以外の目的で使用してはいけない」。2月1日、ベビー用品メーカーのピジョン株式会社が電子レンジを使用した哺乳瓶などの除菌方法を改めることを発表し、電子レンジの正しい使い方がクローズアップされました。哺乳瓶の消毒以外にも、湯たんぽからアイマスクまで電子レンジを“調理以外”の目的で使用する例は身近に多く存在します。家電メーカー側はどのように受け止めているのでしょうか。詳しく聞きました。(取材・文=水沼一夫)

 ◇ ◇ ◇

ピジョンが除菌方法変更 「レンジ不可(×)」に

 ピジョンは1998年以来、哺乳瓶を「レンジ可(〇)」としていましたが、2月から順次、「レンジ不可(×)」とすることを発表。従来の製品は「正しくご使用いただいていれば直ちに危険が及ぶ可能性は低い」ため、電子レンジでの使用は継続できるとしています。

 幼い子どもを育てる親にとって、電子レンジは非常に身近な存在です。今回ピジョンが、哺乳瓶以外に、「レンジ不可(×)」とした主な対象商品には、乳首、さく乳機、母乳関連用品、ベビー洗浄消毒用品、ベビードリンクボトル、乳歯ケア用品、おしゃぶり、歯固め、ベビーヘルスケア関連用品、調理器具・食器食具などが含まれます。これらのアイテムを、電子レンジを使用せずに、消毒・除菌することになります。

 白物家電のメーカーなどで作る団体は、かねて注意喚起を行ってきました。

 一般社団法人日本電機工業会(JEMA)は公式サイトで、オーブンレンジ・電子レンジについて、「調理以外の目的に使用しない」と明記しています。その理由については、「発煙、発火、破裂、やけどなどの原因になります」と説明。「調理以外の使用例」として、湯たんぽの加熱、おしぼりの加熱や乾燥、哺乳瓶の消毒を挙げています。

 JEMAの担当者は、Hint-Potの取材にこう補足しました。

「金属など部品としてついている場合などレンジ加熱することで部分過熱して事故になる危険が想定されているため当初から調理以外の使用を禁止していたようです。『平成16年ごろに電子レンジ専用哺乳瓶消毒ケースが発火』などの事例が発生しており、そのほかにも、哺乳瓶だけを入れて破裂した、除菌の際の水分が足りずに割れた、変形したなど、使用者の誤認による事故が報告されています」

 使用者の誤った電子レンジの使用による哺乳瓶の変形は、ピジョンも確認しています。

 また、JEMAの担当者は「ガラス瓶など均等ではないなどの影響により一部発熱して割れる場合などがある」と素材の厚さや形が均等ではないことが、破裂などの原因につながるとの見方を示しました。電子レンジを使った他の保温アイテムを含め、複数の要因から、「製造メーカーとしては、使用者に危険がおよぶことを避けるために調理以外の使用を禁じております」と、注意を呼びかけています。

シャープ「電子レンジは食品を加熱するための商品」

 一方、メーカー側も同様の意見です。

 シャープ株式会社は、スチームオーブンレンジ「ウォーターオーブン ヘルシオ」を展開。電子レンジ機能のほか、スチーム機能を持つため、高温の蒸気によって哺乳瓶やキッチン用品の除菌はできますが、「電子レンジでの食品以外の調理は禁止しています」(担当者)とレンジ加熱は禁じています。マイクロ波を使った食品以外の加熱で過去に事故が報告されており、「加熱しすぎによる破裂・発火などの可能性があるためです」と明かしました。

 取扱説明書で正しい使用法を記載しているほか、サポートサイトにチラシを掲載。「電子レンジで水に濡れた携帯電話は乾かせません」など危険性を指摘しています。

 電子レンジの使用を前提とした、食品以外の商品が普及していることについて、同社は「電子レンジを活用したさまざまな商品が増えておりますが、電子レンジは食品を加熱するための商品であり、それを前提に商品の設計を行っております。メーカーとしてはお客様の安全が一番大事ですので、電子レンジの取扱説明書に記載のご案内に従ってご使用くださいますよう、お願いいたします」と取材に回答しました。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)