ライフスタイル
「一口ちょうだい」どう思う? 2000人に意識調査 角を立てずに避けるテクとは
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:瀬川 文子
人によっては強い拒否感 「図々しい」「腹が立つ」「非常識」の声も
さらに調査では、「『一口ちょうだい』と言う人に、どんな印象を持ちますか?(複数回答可)」を聞くと、「とくに思うことはない」が39.5%、「親しみを覚える」25.4%、「『交換に何をくれるの?』と思う」は10.1%。
一方、「断りにくいことを言う人だと思う」12.5%をはじめネガティブな印象を持つ人もいて、記述回答では「図々しい人だと思う」「面倒くさい人だと思う」「腹が立つ」「自己中心的な人だと感じる」「非常識」といった、強い拒否感を示す意見が目立ちました。
「分け合うのが当たり前の環境にいたのか、人のものを『ちょうだい』と言うのは良くないと考えるのか、それぞれの価値観。“絶対に正しい”がないテーマです。気にしない人がいる一方、“嫌だ”と思う人の価値観も尊重すべきだと思います。
少なくとも、食べている途中ではなく、口をつける前のほうが心理的に受け入れやすいでしょう。取り皿や取り箸をもらうなど、相手が了解してくれた場合にも、配慮できるといいですね」(瀬川さん)
「はっきり断れるのは良いと思う」が最多 一方で断られると気に病む人も
今回の調査では、「『一口ちょうだい』を断る人がいたら、どんな印象を持ちますか?(複数回答可)」も質問したところ、もっとも多いのは「はっきり断れるのは良いと思う」35.9%、次いで「とくに思うことはない」が34.2%。
明確に否定的な項目では「ケチだと思う」11.6%が1割を超えたものの、全体にネガティブな印象を持つ人は少数。記述回答でも、「当然だと思う」「意志が強い人なんだと思う」など肯定的な意見が少なくありません。一方で、「自分を否定された気持ちになる」「その人と話しづらくなる」との声もありました。
そうした気に病んでしまう人に対し、瀬川さんは「価値観はさまざまなので、必ずしも“相手に親しみを持たれていない”と捉えなくていいと思いますね」と言います。
我慢したことでマイナスの印象を与えてしまうことも
「一口ちょうだい」に限らず、瀬川さんはコミュニケーションにおいては「断る」のも大事だとアドバイスします。
「“嫌われたくない”“ダメな人間と思われたくない”と考え、断るのは苦手な人が多いかもしれません。でも、言葉では『いいよ』と言っても内心の“嫌だな”が態度に出てしまい、“本当は嫌だったんだ”と相手が気づくことも。人によっては“言うことと、本音は違う人なんだ”と感じ、マイナスの印象を与えてしまいます。
コミュニケーションでは、『どう思いますか?』など率直に相手の気持ちを聞くほか、自分の考えを伝えるほうが、スムーズに話を進められたり関係が深まったりすることが多いです。否定せず『自分はこういう意見だけど、そういう考えもありますよね』と認め合えれば、断ることがお互いを知る良いコミュニケーションのひとつになると思いますよ」
※この記事は、「Hint-Pot」とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
(Hint-Pot編集部・鍬田 美穂)
瀬川 文子(せがわ・ふみこ)
コミュニケーション・インストラクター。日本航空客室乗務員として14年間国際線勤務後、子育てをしながら米国のコミュニケーション訓練のプログラムの指導員をはじめ多くの資格を取得。コミュニケーションの大切さを講演、研修、著作で伝えることをライフワークとして活躍している。テレビや雑誌のインタビューに加え、主な著書に「聞く、話すあなたの心、わたしの気もち」(元就出版社)、「職場に活かすベストコミュニケーション」(日本規格協会)、「ママがおこるとかなしいの」(金の星社)ほか多数。