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「保育園落ちた…」の悲鳴 夫婦フルタイム共働きも加点望めず 「離婚するかという話まで」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

今年も「保育園落ちた…」の声が相次いだ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
今年も「保育園落ちた…」の声が相次いだ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 新年度に子どもを保育園に入れるための“保活”が佳境を迎えています。年々保育園の数が増え、待機児童ゼロをうたう自治体は多いですが、今年も1月下旬から「保育園落ちた…」の悲鳴がネット上に相次ぎました。専業主婦は減り続け、共働きが当たり前の時代。それなのに、なぜ、子どもを預けることすらできないのでしょうか。神奈川・横浜市に住む30代の母親は、苦しい胸の内を明かしました。

 ◇ ◇ ◇

横浜市担当者「第1子、共働きフルタイムくらいでは入れない」

「保育園落ちた…
日本の少子化の闇。

誰でも保育とは?

一時預かりでさえ受け入れ満員で預けられませんが…

日本終わってるわ」

 女性がネット上に悲痛な思いをつづったのは1月29日のことでした。

 1歳児クラスへの入園を希望していましたが、結果は予期せぬものでした。

「もうどうしようもないのが現実。

保育園入れるための準備もたくさんしてたけど
この努力無駄すぎ

岸田総理、日本は少子化でしたよね?
どうなってますか?

落ちた人たくさんいますよ。

物価高騰してて困ってるので早く働きたいんですけど」

 突き付けられた現実に、ぼう然とするしかありません。

 夫婦フルタイムの共働きの条件で、新年度に向け、3つの保育園に申し込んだところ全滅です。一次募集に落ちた後、市役所の窓口に相談に訪れました。しかし、解決策は得られず、焦りが募ります。職場は2歳までしか育休手当が出ません。現在、二次募集で5つの保育園に申し込み、結果を待っているところです。

 横浜市は昨年4月1日現在の待機児童数を10人と発表しています。数字だけ見ると、確かに改善が進んでいるように見えます。

 しかし、市役所からの説明は最初から厳しいものだったと振り返ります。

「役所からは、コロナの影響で移住者が増え、子育て世帯も多いため、妊娠中から『第1子、共働きフルタイムくらいでは入れない』と言われていました」

 いきなり門前払いのような通達です。激戦区では0歳からの入園も一つの方法です。実は女性も子どもがまだ0歳のときから、1歳になるタイミングでの入園を試みましたが、かないませんでした。

「二次募集へ応募していますが、かなり狭き門なので、無理だろうと思っています。役所の対応も悲惨だったので、期待していません。かといって認可外や妥協して選ぶ保育園へは入れたいとは思いません」

 認可外保育は費用が高額になりがちです。東京の一部の区のように0歳児クラスから定員割れしている認可保育園もある一方で、このように自治体の発表の中身と、現実の保活に乖離(かいり)が生じているところは少なくありません。

SNSの投稿「春から保育園という人を見かけると憂うつな気持ちに」

二次募集に望みをかけるが…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
二次募集に望みをかけるが…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「保育園だけでなく一時預かりさえままならない状況です。月2回、1回2時間預かっていただくだけで、一時預かりもパンク状態です」。病院に通院するのも容易ではありません。

 政府が大々的に掲げた「異次元の少子化対策」。その中身や実効性に首をひねります。また、昨年から物価が高騰したことが子育てにも追い打ちをかけています。

「岸田政権には何も期待していません。物価高騰でライフライン、おむつ、ミルク、育児に必要なものの値上がりが尋常ではないのに、育休手当が増えるわけでもなく、国としての施策はなく、市町村任せで、何も還元されていないなと思います」

 春からどうすればいいのか。二次募集にいちるの望みを託しつつも、考えれば考えるほど将来が不安になります。

「毎日毎日、保育園のことを考えたりSNSで春から保育園という人を見かけると憂うつな気持ちになります。我が家は第1子、共働きフルタイムという条件でしか応募できません。きょうだいで申し込みしている人や障がいを持っていたり、ひとり親でない限り、(加点がなため)優先順位は高くはなりません。夫とも離婚するかという話まで出ました。そこまでしないと入れないのが現状です。これだけ結婚願望がない人が増えていると言われているのに…結婚しても離婚してひとり親にでもならない限り保育園入れないなんて、、、ばかげているなと思います。とても子育てしづらい、仕事に戻りづらい世の中だと痛感させられます」と、結びました。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)