カルチャー
コーディネーターに聞く 中国に代わって訪日観光客が増加している国とは
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印象に残るインド観光客のエピソードとは
――最近増えているイスラエル、インドネシア、インドからの観光客に、コーディネーターとして接していて、何か印象的だったエピソードはありますか?
「なかでもインドの方でしょうか。カースト制度の上位に属す方々がいらっしゃいます。なかでも興味深かったのは、バスでの移動時、夫婦で並んで座らず、女性たちはバスの前方、男性たちは後方と、男女分かれて着席する姿です。
また、彼らの多くは現金主義で、常に米ドルを持ち歩き、会計時に日本円を持ち合わせず、両替に走っていただくことがあります。しかし困ったことに、彼らは無人の両替機を信用していません……。設定レートが悪いと思っているからです。正直、人件費を削減できる両替機のほうが設定レートが良いことが多いですが、有人両替所に執着するケースがあります。ただでさえ有人両替所は少なく、営業時間も限定されているので、どうにもできないことがあります」
――インドのお客様はどのようなところに行かれるのですか?
「彼らは神社仏閣よりも、日本のテクノロジーに興味があります。『チームラボ』や昨年5月から復活している『ロボットレストラン』(現在は『ギラギラガールズ』にリニューアル。フロア内に『ロボットレストランタイム』として、3時間ほどのショーを行っている)によく行かれますね。また、男性だけですが、ストリップショーも人気です。ところが、行ってみると『なんで開演から、終演まで全裸じゃないのか?』と質問されることもしばしば。日本の規制が厳しいことをご存じないようです」
――インドの富裕層はどのような買い物をされますか?
「ゴルフクラブやワイン、ウイスキーが多いですね。手持ちの消費可能金額が多いのでギャンブルにも行きたがりますが、日本ではラスベガスのような公に認められているギャンブル場がいまだないことを伝えると、がっかりされます(笑)」
大変な経験をしながらも、海外からのお客様に楽しんでいただくためにさまざまな工夫をしている山田さん。アテンドの際は、着物の帯をリメイクしたベルトを使用するなど、日本らしさを取り入れた服装を選んで、お客様をお迎えしているのだそうです。
(日下 千帆)
日下 千帆(くさか・ちほ)
1968年、東京都生まれ。成蹊大学法学部政治学科を卒業後、テレビ朝日入社。編成局アナウンス部に配属され、報道、情報、スポーツ、バラエティとすべてのジャンルの番組を担当。1997年の退社後は、フリーアナウンサーとして、番組のキャスター、イベント司会、ナレーターのほか、企業研修講師として活躍中。