Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

カルチャー

「ノスタルジック」な気分に イタリア人女性が初訪日で魅了された昭和レトロなアイテムとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

映画監督のシルヴィア・シベリーニさん【写真提供:シルヴィア・シベリーニ】
映画監督のシルヴィア・シベリーニさん【写真提供:シルヴィア・シベリーニ】

 昔は多く出回っていたけれど、今の時代にまったく姿を見なくなったものは少なくありません。そういった日本の懐かしいアイテムに、興味を持つ外国人もいるようです。2010年に初めて日本へ来たという、イタリア人の映画監督シルヴィア・シベリーニさん。そのとき、京都で見たある機器が印象に残っているといいます。

 ◇ ◇ ◇

日本文化を学んで念願の来日 “ホーム”と感じた日本

 イタリア中部のアドリア海に面した、アンコーナ出身のシルヴィア・シベリーニさん。イタリアのボローニャ大学で東洋文化や歴史を学び、なかでも日本語や日本文化に興味が尽きなかったといいます。

「昔から東洋に関心があり、インド、仏教、禅などを勉強していたんです。大学で日本人の教授から日本語を学び、日本は東洋のすべての文化が総合的に凝縮されていると感じたので、行ってみたいと思っていました」

 そして2010年、念願叶って日本へ留学。日本へ来たのはそのときが初めてでしたが、すぐになじむことができたそうです。

「(日本を)私の“ホーム”だと感じたんです。というよりも、やっと家に帰ってきたという感覚。留学中は日本人家族の家にホームステイしていたのですが、家族が温かく迎えてくれて。初めての日本だったけれど、とてもリラックスできました」

「日本の古いものが好き」 目に留まったのは公衆電話

 留学中、千葉や東京、京都でホームステイを経験したというシルヴィアさん。大好きな場所のひとつであるという京都の大徳寺では、国境と時空を超えた思いを覚えたといいます。

「大徳寺の待合室にダイヤル式の公衆電話があったんです。日本の電話とイタリアの電話は違うけれど、この公衆電話を見て、子どもの頃を思い出してノスタルジックな気持ちになりましたね」

シルヴィアさんが大徳寺の待合室で見たというダイヤル式の公衆電話【写真提供:シルヴィア・シベリーニ】
シルヴィアさんが大徳寺の待合室で見たというダイヤル式の公衆電話【写真提供:シルヴィア・シベリーニ】

 公衆電話が初めて日本に登場したのは、1900年。上野駅と新橋駅の構内に設置されました。その後、形を変えながら台数も増え、1984年頃には93万台に。しかし、携帯電話やスマートフォンなどの普及により、2023年3月末には12万台ほどまで減少しています。

 公衆電話のように、どこか懐かしさを感じさせるものは、日本の若い世代からも支持を集めています。「公衆電話は古い日本を感じさせるもののひとつ。私はそういうものが好きです」と、シルヴィアさんは日本での思い出を振り返りながら笑顔を見せました。古いものだけれど新鮮さを覚える昭和レトロなアイテムは、日本人だけでなく、外国人の心も掴んでいるようです。

(Hint-Pot編集部)