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「人ごみが苦手ですが…」 フランス人が魅了された日本 モダンと伝統が融合のレアスポットとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

フランス人のポールさん【写真:Hint-Pot編集部】
フランス人のポールさん【写真:Hint-Pot編集部】

 日本にやってきた外国人旅行客は、観光地を巡りながら、その歴史や意義をしっかり理解しようとしています。フランス・パリからやってきたポールさんは、家族で京都を訪れました。金閣寺や清水寺など、数ある見どころの中でも、「本当にクールです」と魅了された場所がありました。詳しい話を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

「鳥居の由来、わかりますか?」に満点回答

 ポールさんに京都で印象に残った場所を聞くと、まず挙げたのが、伏見区の伏見稲荷大社です。

 全国に3万社あるといわれる「お稲荷さん」の総本宮。商売繁昌・五穀豊穣の神様として、奈良時代から1310年以上の歴史を誇ります。

 外国人にとくに人気なのが“千本鳥居”で知られる鳥居です。その数、なんと約1万基。美しい朱塗りの門がどこまでも続く様子は、圧巻のひと言です。

 公式サイトでは鳥居が並んだ経緯について、「願い事が『通る』或いは『通った』御礼の意味から、鳥居を感謝のしるしとして奉納することが江戸時代以降に広がった結果です」と説明しています。稲荷山に広がる参道は、神秘的な雰囲気で参拝者を迎えてくれるでしょう。

 ポールさんも、「赤い鳥居は素晴らしかった。美しかった」と目を奪われました。

 さらに、鳥居の由来を聞くと、にやりとほほ笑みます。

「はい、知っています。天照ですね。天照が洞窟(岩屋)にお隠れになったとき、八百万(やおよろず)の神々が鶏を連れて来ました。鶏が泣いて岩戸から出てこられましたが、そのときに鶏が止まった木に由来します。それが鳥居になったと言われています」

「英語で何て表現するかわからないけれど…」と言いながらも、口調はすらすらとよどみなく、説明を聞いているほうが圧倒されるほど。鳥居の由来は諸説ありますが、有名な観光地のシンボルの意味を理解しようとする姿勢、またその価値をしっかりと共有しているのは日本人からしても驚きですね。

 一方、ポールさんが京都で気に入った場所はほかにもありました。

「祇園が大好きです」

 京都を代表する歓楽街・花街で、八坂神社の門前町として発達。料亭が軒を連ね、本物の舞妓を見かける機会もあるレアスポットです。

 ポールさんはその風情と街並みに魅了されたと言います。

「祇園地区は街路が狭いのに、すごく混雑していました。私は人ごみが好きではありません。でも、祇園は美しい街です。私はこのるつぼ、多様な文化、新しい生活様式が大好きです。最近のモダンな部分と伝統が交わるような街。本当にクールです」

ポールさんが魅了された京都の街(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ポールさんが魅了された京都の街(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 周辺を散歩しただけで、レストランやバーで飲食はしなかったそう。それでも強烈なインパクトが残り、日本観光のよき思い出になったそうです。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)