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「酷だ」娘から家賃徴収 物価高騰で賛否両論に 親の真意は【米】

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

社会人になった娘から家賃を徴収してもいい?(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
社会人になった娘から家賃を徴収してもいい?(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 社会人になると、給料をもらって経済的に自立することができます。そのため、実家暮らしの場合は学生時代と違い、家主である親から生活費の負担を求められることもあるでしょう。アメリカでは、高校を卒業した娘から家賃を徴収するとTikTokで宣言した夫婦が賛否両論を呼んでいます。

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子ども世代から「酷」との声 親世代からは賛成多数

 注目を集めたのは、テキサス州で牧場を経営するコディ・アーチーさんとエリカさん夫妻。ふたりの間には、高校を卒業したばかりの娘がいます。

 夫妻は高校卒業後も実家で暮らし続ける娘に対して、月々200ドル(約3万円)の家賃を請求することに。そのことをTikTokで宣言すると、投稿に7000件を超えるコメントが寄せられました。

 一部の視聴者からは、「値段自体は妥当だと思うが、食費を追加で請求するのは酷だ」「私は25歳になったばかりで、まだ両親と一緒に住んでいます。家賃は払っていないし、車も携帯電話も大学の学費ローンも医療費も保険も全部払っている。だから貯金もできる」など、昨今の物価高騰を受けて娘を擁護する声が。

 一方、親世代からは「夫は月に数百ドル払うべきだと言っていますが、私たちはそのお金を、彼らが引っ越す準備ができたときのために口座に入れておくつもりです」「私たちが犯した最大の過ちは、成人した子どもたちに家賃を請求しなかったことです。彼らはお金を浪費するので、家賃を支払ってもらったほうがずっといい!」など、夫妻の考えに賛成する声が上がっています。

娘に金銭感覚を身につけてほしい 母の思い

 賛否両論を呼んだことについて、夫妻はケーブルテレビのニュースチャンネル「Fox Business」のインタビューに応じました。

「『子どもから家賃を取るなんてありえない』と言う人たちから、たくさんの反発を受けたと思います。『子どもたちはずっとタダでいいんだから』って人からね」と、皮肉っぽく答えたエリカさん。さらに、家賃を請求すると決めるに至った最たる理由は、娘に金銭感覚を身につけさせたいという考えであることを説明しました。

「生きていたらタダで手に入るものなんてなく、お金を節約することを学んでもらいたいかったのです。どこかに住むためには家賃を払ったり、住宅ローンを組んだりしなければならないことを学ばなければなりません」と主張しています。

 実は、娘は自分探しのため、一時的に実家から出たことがあったそう。しかし、今は家賃を払いながら両親と暮らしています。エリカさんは娘が戻ってくるにあたって、家賃以外の取り決めもしました。

 さらに、「現在のアメリカでは、そのような習慣が当たり前になっていると思いますか?」と尋ねられると、エリカさんは「そうは思いません」ときっぱり。その一方で、「私たちは子どもたちに、いつまでもパパとママのお金で暮らしていけるとは教えないわ」と締めくくりました。

 米シンクタンク、ピュー研究所の報告によると、現在18歳から24歳のアメリカ人の57%が親と同居しています。アメリカでは、自動車保険料が高騰し続けているなど、経済的に完全に自立するには高い壁があるようです。同調査によると、18歳から24歳の成人のうち、親の経済的支援から完全に自立できたのはわずか16%。25歳から29歳では44%になっています。

 日本でも、社会人になった子どもから生活費をいくら徴収すべきなのか、掲示板サイトなどで話題になることが。親子でしっかりと話し合い、現実的なラインを見極める必要がありそうです。

(Hint-Pot編集部)