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今が旬のニラ 「医者いらず」といわれるのはなぜ? スタミナ食材の秘密を栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

カットしたニラ。春が旬でおいしい(写真はイメージ)【写真:写真AC】
カットしたニラ。春が旬でおいしい(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ニラがおいしい季節です。通年スーパーマーケットで見かけるため、あまり意識したことはないかもしれませんが、旬は春。特有の風味で、餃子やニラ玉、レバニラ炒めなど、料理に欠かせない野菜のひとつでしょう。とくに根元には「医者いらず」とされる、スタミナがつく栄養成分も含まれているそうです。旬のニラをおいしく食べるために、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

ニラの旬は春 スタミナ野菜の代表

 品種改良や栽培方法の発達で、ニラは通年手に入る野菜になりましたが、本来の旬は春です。ニラには、大きく分けると3つの種類があります。葉を利用する葉ニラ、光を当てずに作る黄ニラ、そしてつぼみのついた若い花茎を食する花ニラです。私たちがスーパーで見かける一般的なものは、葉ニラ。葉ニラには、葉幅が広い大葉ニラと、在来種で細葉の小葉ニラがありますが、主流は大葉ニラです。

 ニラがスタミナ野菜の代表といわれる最大の理由は、アリシン(硫化アリル)が含まれていることにあります。アリシンとは、ニンニクやネギ類にも含まれている成分。強い殺菌効果が期待され、疲労回復に欠かせないビタミンB1の吸収も高めるといわれています。また、消化液の分泌を促し消化吸収アップも。ニラは元気の源で、滋養強壮に欠かせない野菜です。

 アリシンは、ニラの根元部分にたっぷりと含まれ、葉先の4倍ほど多いといわれています。もし、根元をたくさん切り落としていたらもったいないです。最小限に切り落とす程度にして、根元部分も活用しましょう。細かく切れば切るほど、切り口からアリシンが発生します。アリシンのツンとした特有の匂いが苦手でないならば、根元部分も細かく刻み、滋養強壮が期待できる栄養メリットを摂りましょう。

ニラは劣化しやいので保存に工夫を

 旬の時期に、安価でニラを大量に手に入れることがあるかもしれません。しかし、ニラは乾燥に弱く、傷みやすい野菜です。すぐに葉先からしなびてくるので、食べ切れない場合は、保存方法に注意しましょう。

 冷蔵庫の野菜室で保存する際は、水洗いをし、水分を拭き取ったら、葉先が折れないようにキッチンペーパーで包み、さらにラップで包みます。空きペットボトルなどを活用し、立てて野菜室に入れると日持ちしやすくできるでしょう。

 カットしたニラを容器に入れて、水に浸して冷蔵庫で保存する方法もありますが、栄養メリットの観点からはおすすめできません。日持ちはするかもしれませんが、水溶性の栄養を損失してしまいます。

 それよりは、冷凍庫で保存するほうが良いでしょう。適度な長さに切ったニラをジッパー付きの冷凍用保存袋に入れて、平らな状態で保存します。新鮮なニラの状態のまま食べられますし、必要な分だけ取り出せるので便利。時短にもつながります。上手に保存して、旬でパワフルなニラの栄養を存分に摂りたいですね。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾