カルチャー
「こういう発想はない」 車好きのアメリカ人が大黒PAでコーヒーを買ったら…目を奪われた日本の技術
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日本を訪れる外国人観光客は、日本文化を体感できるあらゆるところに興味を持ちます。ハリウッド映画監督のドン・ハリスさんは、危険な公道レースに警鐘を鳴らす自身3作目の映画を制作中。このたび来日すると、日本人にはおなじみの“自動車ファンの聖地”に向かいました。そこでは意外な驚きも……。詳しい話を聞きました。
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外国人にはややハードルが高いスポットを訪れた
ロサンゼルスに住むハリスさんは、4月17日まで日本に滞在しました。観光目的は桜を見ることでしたが、大の自動車好きだけに、日本の車文化にも興味津々です。
制作中の映画『The Mad Batter』(邦題は未定)も自動車に焦点をあてたもの。無謀な公道レースによって自身の命や周囲を危険にさらすべきではない、と特に若者ドライバーに訴えかける内容です。すでに主要キャストは決まり、脚本も仕上げの段階で、クランクインを楽しみにしていました。
帰国間際の羽田空港では、おもちゃの車を使ったカーサーキットにも挑戦。日本では初のチャレンジでしたが、アメリカでは少年時代に打ち込んでいたとあって、見事な腕前を披露しました。
そんなハリスさんが、滞在中に訪れたのが“自動車ファンの聖地”とされる神奈川・横浜市の大黒パーキングエリア(PA)でした。インバウンドの増加に伴って、近年では自動車好きな外国人観光客が目的地の一つとして訪れる場所です。
歩行者はもちろん、自転車、原付バイクでは入れず、タクシー乗り場やバス停もありません。高速道路の湾岸線・大黒線からのみ利用ができ、“一見さん”の外国人にとってはややハードルが高いスポットでもあります。
アメリカでは年式の古いバラクーダコンバーチブルやハーレー・ダビッドソンに乗っているハリスさん。
まず興奮したのは、一緒に同行した1台の車でした。
「こんなにオリジナルの車が日本で走っているなんてびっくりだよ」
クラシカルなオレンジのマッスルカーを見て、思わず声を上げました。ボンネットを開けてもらい、エンジンを眺めます。オーナーから車両について細かく説明を受けていました。
駐車場にはランボルギーニなどのスーパーカーや個性的な自動車も停車。ここではビンテージなジャガーに目を奪われていました。約400台を収容する巨大駐車場です。かつては“走り屋”や違法改造車が大挙として集まり、数々の伝説も残す大黒PAですが、警備体制は強化されており、交通ルールの遵守が叫ばれています。
「こういう発想はない」 日本のテクノロジーに感嘆
一方、PAではフードコートや売店などドライバーが快適に過ごせるようなサービスがあります。
車を見終わったハリスさんが自動販売機でコーヒーを注文すると……。
「ワオ! グレート!」
なんと自販機の内側に仕込んであるカメラで、ドリップするところから“生中継”がスタート。
でき上がるまでの1分半ほど、食い入るように映像を見つめていました。
日本では身近な存在の自販機。その技術は年々進化していますが、外国では先進国であっても自販機を全く見かけない都市は多くあります。
便利なうえに、待機時間を楽しんでもらえるような工夫に、ハリスさんは感心した様子。「こういう発想はないですね」と話し、満足そうに大黒PAを後にしました。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)