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外国人旅行客に大ウケ 東京湾で民謡を楽しむ「民謡クルーズ」 歌手が見た光景とは

公開日:  /  更新日:

著者:日下 千帆

アメリカ人のお客様からは意外なリクエストも

民謡歌手の小池洋子さん(右)と日下千帆アナウンサー【写真提供:日下千帆】
民謡歌手の小池洋子さん(右)と日下千帆アナウンサー【写真提供:日下千帆】

――民謡に対する反応はいかがですか?

「中国の方は合の手を入れるのがお上手ですね。歌の途中で『ハイハイ』とか普通に入ってきてくれますよ。アジアの方は楽器に触れてみたいという希望が多いのですが、三味線はとてもデリケートな楽器なので、申し訳ないですがお断りしています。

 また、アメリカ人のお客様からは『十三の砂山』という曲が人気です。日本ではあまり知られていませんが、日系スーパーマーケットの創業者が主人公のドキュメンタリー映画があったらしく、そのテーマソングだったそうです」

――90分間、演奏し続けているのですか?

「往路はすき焼きを召し上がっているので、BGMになるような静かな曲を演奏し、帰りはショータイムとして盛り上げていきます。

 船着き場が混雑しているなどで、時間調整が必要なときは『炭坑節』を流すのですが、これが大ウケします。スタッフに軽く踊ってもらうと、みなさんその後ろについて列になって踊り始め、船上がまるで盆踊り会場のようになります。船が揺れるほど、みなさん大笑いされていますね。

 下船時に、中国のお客様からはよく『北国の春』が聞きたかったなどとリクエストいただくので、アカペラで歌って差し上げることも。ほかにも『ソーラン節』や『花笠音頭』はリクエストが多いです」

 小池さんは、ショーを盛り上げるために鈴や鐘などの小さな楽器を持ち込み、お客様に参加してもらうなど、さまざまな工夫を凝らしているそうです。最近では、中国人のお客様から「あなたは中国で有名ですよ」と声をかけられたのだとか。おそらく、誰かが歌う小池さんの動画をSNSに投稿したのでしょう。

 言葉は通じなくても、音楽の楽しさや美しさは世界共通です。小池さんは今後、世界各地で演奏し、民謡の魅力を伝えていきたいそうです。

(日下 千帆)

日下 千帆(くさか・ちほ)

1968年、東京都生まれ。成蹊大学法学部政治学科を卒業後、テレビ朝日入社。編成局アナウンス部に配属され、報道、情報、スポーツ、バラエティとすべてのジャンルの番組を担当。1997年の退社後は、フリーアナウンサーとして、番組のキャスター、イベント司会、ナレーターのほか、企業研修講師として活躍中。