海外ニュース
「日本で考えると珍しい」フランスの制度 移住した日本人女性が子育てで驚いたこととは
公開日: / 更新日:
自然の中での子育て さわさんが大事にしていること
現在、さわさん夫婦が住んでいるのは、山々に囲まれた自然豊かな田舎町。湖や山が美しい、自然豊かな場所に一度は住んでみたいと思っていた夫・エルワンさんの希望もあり、3年前の夏にパリから引っ越してきたといいます。
とはいえ、さわさんにとって、外国の田舎町での生活にはなかなか慣れなかったそう。
「私自身が比較的、街中で育ったので、ここはちょっと田舎すぎるかなと思ったりして、1年目は正直つらかった……。山間なので、秋冬ぐらいから毎朝、雲に包まれているような霧がバーッと出て、本当にどんよりした雰囲気になるんです。『私、ここで暮らせるのかな』と思っていたのですが、2年目に入り、冬が明けて夏に向かっていく季節になると緑が生い茂ってきて、湖も水質が透き通っていてきれいだし、本当に自然豊かになるんです。それを見たときに、『ここ、やっぱりいいな』って思い始めたんです」
新緑の季節に見られる山々の深い緑色と澄み切った空の青さ、湖畔に映る大自然のコントラストを知ったことで、2年目に見た冬の景色が違って見えたと回想します。
「冬定番のスキーをしたり、チーズを食べたり。そのときにできることを満喫して、暖かくなってから、暖かい季節を楽しめばいいと思えるようになりました。季節があることは当たり前のことなので、それを受け入れると『うん、悪くない』と思えるようになって、今はすごくこの町が好きですね」
そんな田舎町だからこそ、さわさん家族にとっては「合っている」と感じるそう。それは、人も交通量も多くて「疲れてしまう」パリとは異なり、ゆったりした空気に包まれながらのびのびと過ごせるから。
子育てにおいて夫婦が大切にしていることは、「自分たちがイライラしないこと」。さわさんいわく「これが我が家のベース」なのだとか。
「娘に対してもそうだし、夫婦間でもそう。やっぱりイライラしてしまうと、娘を強く叱ってしまったり、けんかしてしまったりします。なので、その要因を溜め込まないことが大事かなと思っています。たとえば、イライラの原因が仕事であれば、それを家族の時間には持ち込まないこと。そういうマインドリセットのような、感情を引きずらないことを、とくに娘に対しては日々意識していますね」
とはいえ、人間なので、そうなってしまったとしてもそれをひとつの学びとして、ありのままの自分を受け入れるようにしているというさわさん。お互いを思い合う心が、配信を通じて多くの人たちを魅了しています。
北海道札幌市出身。慶應義塾大学在学中、第二外国語としてフランス語を勉強し、フランスの文化に興味を持ち始める。フランス語学習のために活用していた交流サイトで、のちに夫となるエルワンさんと出会い、結婚。大学卒業後は日本で会社員として働いていたが、9年前にフランスへ移住。パリから田舎町への引っ越しを機に、自身のYoutubeチャンネル「さわ フランス暮らし- Sawa France」で夫と娘との日常生活を配信している。
(Hint-Pot編集部・出口 夏奈子)