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「曖昧すぎてはっきりしないモヤモヤ」 日本人YouTuberが戸惑ったフランス人独特の感覚とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・出口 夏奈子

6年半ぶりの帰国で感じた日本への思い

 今年、年末年始を日本で過ごしたさわさん一家。すでに9年フランスで暮らしているさわさんにとって、6年半ぶりとなる久々の帰郷は「不思議な感じだった」といいます。

「品川には高層ビルが立ち並んでいて、まだまだ工事中だったりするところもあるのですが、逆にそこが生き生きしているように感じられて。やっぱり日本ってにぎやかだなあ、活気づいているなあと、すごく刺激になりました。それにコンビニ。フランスにはコンビニがなく、欲しいものが欲しいときに手に入るあの便利さを忘れていたので、本当にいいなと感じました」

 夫エルワンさんにとっても8年半ぶりの訪日。「すごく喜んでいた」そうですが、その一方で、訪日前には「日本に帰るのが怖い」と夫婦で話していたといいます。

「日本から長く離れていると、もうフランスの生活に慣れてしまっているので、日本にどうしても帰りたいと思っていなかったんです。でも、一度日本に帰ると、日本の良さを思い出してしまって、また日本に戻りたくなってしまうのではないかとすごく心配していました。そうしたら、やはりフランスに戻ってきてから1か月ぐらいは、ふたりで『もう日本に住みたいね』と本当にどんよりしてしまったんです」

 平日は仕事のおかげで気分をまぎらわせることができますが、週末になると「日本に帰ったら……」という話で、真剣に日本での仕事について語り合っていたと振り返ります。しかし日本に住んでいた頃、エルワンさんにとって、外国人である自分が日本でやりたい仕事に就くことが難しかったことを考えると、厳しい現実が。

 いつかは日本に……。そんな思いを夫婦で持ちつつ、今はフランスの田舎町で、子育てをしながら自然に囲まれて過ごすことの良さを再確認。今後もYouTubeで配信することで、現地の生の情報を届けていきたいといいます。

「私がフランス語を学んでいた学生時代は、海外に暮らしている人が配信するYouTubeが身近ではありませんでした。だからこそ、当時の自分にこういう世界があって、実際にフランスで暮らしている人の生活の様子を知ることができていたら、もっと自分の世界が広がっていたかもしれないと思うことがあるんです。なので、私の配信を観てくれている人が、自分の世界を広げてくれたり、フランス生活に憧れてる人が動画を通して疑似体験できたり、そういったものになれればうれしいですね」

◇河野佐和子(こうの・さわこ)
北海道札幌市出身。慶應義塾大学在学中、第二外国語としてフランス語を勉強し、フランスの文化に興味を持ち始める。フランス語学習のために活用していた交流サイトで、のちに夫となるエルワンさんと出会い、結婚。大学卒業後は日本で会社員として働いていたが、9年前にフランスへ移住。パリから田舎町への引っ越しを機に、自身のYoutubeチャンネル「さわ フランス暮らし- Sawa France」で夫と娘との日常生活を配信している。

(Hint-Pot編集部・出口 夏奈子)