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子どもの五月病 学校へ行きたがらなくなったら、どうすべき? 専門家がすすめる対処法とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:瀬川 文子

共感はしても、同調・同意しすぎるとマイナスが

無理強いして学校へ行かせると、その後長引くことも(写真はイメージ)【写真:写真AC】
無理強いして学校へ行かせると、その後長引くことも(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 子どもに寄り添い、話を聞いて解きほぐすなか、「共感はしていいのですが、同調や同意は、良くない考えを植えつけてしまう可能性があります」と瀬川さん。共感と同調は、似ているようで違うと指摘します。

 一般的に相手の話をよく聞くため、共感を示すのは効果的といわれ、実践している人も多いでしょう。相手が言うことを理解し、考えを共有するなかで、同意や同調する場合も少なくありません。

「行きたくないと思う、つらい気持ちに理解を示し、『つらいんだね』と相手が主語になる形で共感するのはいいです。ただ、同意や同調をしすぎると、子どもが勘違いしてしまうことも。

 わかりやすくNGワードで言うと、『行きたくないよね』のように主語が“私”にも受け取られる言い方は控えたほうがいいですね。より具体的には『そうだよね。休みのあとって、学校行きたくないよね。お母さんもそう思う』といった形で同調すると、子どもは“それでいいんだ。お母さんも、そうだって言った”と思ってしまいます」

 子どもの気持ちに寄り添うあまり、つい言ってしまいそうな言葉かもしれません。“行かなくていいんだ”と思わせてしまわないよう、注意したいところです。

 そのほか、やってはいけないこととして「おだてや無理強いをして学校へ行かせると、その後、ひどくなって行けなくなってしまうケースもあります」と瀬川さん。メンタルの不調を“心の風邪”とたとえるように、無理をさせることによって重症化する可能性を考えるべきだといいます。

 次回は、子どもを休ませると決めたとき、親はどう接すればいいのかについて、引き続き瀬川さんにアドバイスしていただきます。

(Hint-Pot編集部)

瀬川 文子(せがわ・ふみこ)

コミュニケーション・インストラクター。日本航空客室乗務員として14年間国際線勤務後、子育てをしながら米国のコミュニケーション訓練のプログラムの指導員をはじめ多くの資格を取得。コミュニケーションの大切さを講演、研修、著作で伝えることをライフワークとして活躍している。テレビや雑誌のインタビューに加え、主な著書に「聞く、話すあなたの心、わたしの気もち」(元就出版社)、「職場に活かすベストコミュニケーション」(日本規格協会)、「ママがおこるとかなしいの」(金の星社)ほか多数。