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てるてる坊主 知らないと怖い? 実はやってはいけないこと

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

てるてる坊主の起源は女の子だった

 てるてる坊主の起源は、中国の掃晴娘(サオチンニャン)人形だと考えられています。連日の大雨から命がけで人々を救った女の子の伝説が元になり、ほうきを持った女の子の人形を作って門に吊るすと、雨雲を払ってくれると信じられていたそうです。

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 それが日本に伝わると、お坊さんに変わります。当時の日本では、天候の祈祷を僧侶が行っていたのが理由のようです。諸説ありますが、修行時に白装束を着用していたことから、白いてるてる坊主になったといわれています。

てるてる坊主の童謡 3番の歌詞がちょっと怖い…

 大正時代になると「てるてる坊主」の童謡が発表されました。「てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ」で始まる歌は、現代も親しまれています。その歌詞を見ると、1番の終わりでは「晴れたら金の鈴あげよ」、2番の終わりでは「私のねがいを聞いたなら あまいお酒をたんと飲ましょ」とあり、晴天になったら金の鈴や甘いお酒を捧げて、てるてる坊主に感謝する思いが記されています。

 ところが3番になると、ちょっと怖い内容に。雨が降ったらどうなるかについて「そなたの首をチョンと切るぞ」とあります。それだけ強い思いで、てるてる坊主に晴天の願掛けをしていたということなのでしょう。

 これから各地で本格的な梅雨のシーズンになります。“お作法”や由来を知って、これまで以上に、てるてる坊主作りを家族で楽しんでみてください。

(鶴丸 和子)

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)

和文化・暦研究家。留学先の英国で、社会言語・文化学を学んだのをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。
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