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更年期世代に注意が必要な梅雨や湿気 乗り切るために今日から始められることとは

公開日:  /  更新日:

著者:かみむら 佳子

ジメジメする梅雨時期が苦手な人も(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ジメジメする梅雨時期が苦手な人も(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ジメジメ、ムシムシ、ベタベタ……と、湿気や蒸し暑さを感じる鬱陶しい時期になりました。病気ではないけれど、手足がだるくなったり、下半身がむくんだりした経験がある人も多いでしょう。「Hint-Pot」では、更年期の女性の元気をサポートする、国際中医薬膳師のかみむら佳子さんによる連載をスタート。今回は、苦手な人も多い梅雨時期の過ごし方や食養生をお届けします。

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梅雨シーズンの重いだるさやむくみなどは「湿邪」の影響

 薬膳では、梅雨など湿度が高い日が続くと、自然現象の湿気が変化して「湿邪」となり、体に悪影響を及ぼすと考えます。湿邪には「沈重性」と「下降性」の特徴があることから、梅雨時になるとなんとなく手足がだるい、頭が重くだるい、膝や足が重い・痛みが出る、下半身がむくむといった状態が出る人もいるでしょう。

 たとえば同じTシャツでも、乾いているものと濡れたものの重さを比較すると、濡れたTシャツのほうが断然重いですよね。体も同じで、湿気や余分な水分があると重く、だるく感じるのです。

 加えて、湿邪には「粘っこく汚い」性質があります。汗が肌にベタベタとまとわりつく感じや、痰がネバネバしたり、舌の苔が厚くべたーっとついたりすることも起こりやすくなるといわれています。

 さらにやっかいなのは、「定着」という性質です。湿邪の影響から出た症状は、しつこく長引きやすい傾向があります。水虫が悪化したり、できものができてずっとジクジクしたりということも、この定着性の仕業と考えます。

 こうした湿邪の性質によって、更年期のホットフラッシュやのぼせがある人はより熱がこもりやすくなり、すっきりしない日が続くこともあります。冷えや頭痛、関節痛、手足の強張りなどがある人は症状が加重傾向になりやすいので、梅雨時が苦手と感じることも多いでしょう。

体内に「湿」を溜めないように適度な運動や入浴で汗をかく

 また、体には異常がないのに、梅雨時になると何を食べてもおいしく感じない、食欲がない、胃がもたれる、下痢ぎみといった状態になる人は、湿邪の影響を受けているかもしれません。

 中医学では、臓腑の「脾」(西洋医学の脾臓とは異なります)が消化吸収に関わると考えます。脾は湿気を嫌うので、雨の日が続くと働きが悪くなり、体内に余分な水分や湿が溜まりやすくなる原因に。食欲不振や胃のむかむか、下痢、むくみなどが起こるといわれています。

 元気に乗り切るためには、外から受けた湿気の影響を体の内側になるべく溜めないことです。適度な運動をして汗をかくことや、冷たいものの食べすぎ・飲みすぎで体を冷やさないこと、湯船に入り体を温めることなどが養生になります。