どうぶつ
「本屋がねこを助け、ねこが本屋を助ける」 斬新なコンセプトの専門書店 初代番頭ねことの出逢いと叶えられなかった夢
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ねことの暮らしのアイデアが詰まった「猫ねこ部」がお届けするシリーズ「あなたの街の看板猫」。前回に続き、ねこ好きなら一度は行ってみたいねこ本専門店「キャッツミャウブックス」をご紹介。西太子堂にあるこの店は、店長と4匹のねこ店員たちがお出迎えをしてくれます。2回目の今回は、店主の安村さんがねこ本専門店をオープンするに至ったきっかけと、看板猫として迎えたいと強く願った初代番頭ねこ「ごましお」くんとの出逢いと別れをお届けします。
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本屋についての講座が夢を叶える第一歩に
「老後は何か自営業をやりたい、やるなら本屋だなぁ。どうせやるならねこの本屋にしたい」
店主の安村さんのなかには漠然とした思いがありました。
そんな思いが一気に現実のものとなったのが、2016年3月に下北沢の「本屋B&B」の共同運営者・内沼晋太郎さんが講師を務める、本屋についての講座を受けたこと。
普段なかなか知ることができない本の流通の仕組みを一から解説してもらい、その後自分のやってみたい本屋のプランを考え、それを実現するために必要なものを課題として出され……と講座が進むたびにどんどん課題が進化していったそうです。
「ねこがいてビールが飲める本屋」をやりたいとは考えていたけれど、当初はまだコンセプトもぼんやりとしていました。ただ、本の売り上げの何%かを保護ねこ活動に寄付することだけは決めていたそうです。
「そのプランを内沼さんに話したら、『それはまだ世の中にないからいけると思う』と言ってくださって。自分のアイデアが業界のある意味大物にどう見てもらえるのか試す感じで行ったんですけど、思いの外いい評価を頂いて背中を押されたんです」
さらに、ねこと本屋が助け合って売り上げから保護ねこ活動に寄付するというコンセプトは絶対に共感を得られるからと、クラウドファンディングを利用した開業資金集めのアドバイスももらったそう。
講座を修了したときには、すでに本気で考え始めていた安村さん。それからわずか1年半後にお店をオープンにしてしまったというから、人との出逢いは本当に大切です。