からだ・美容
「すぐ近くから強めの臭いが…」 汗と臭いのケアすべきタイミングを専門家がアドバイス
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地球温暖化やヒートアイランド現象などから、気象庁が統計を開始した1898年から平均気温は上昇しているといわれています。今年も暑い夏がやってきて、気になるのが汗や臭い。さまざまな対策のなかで、活用する人が多いのは制汗剤やデオドラント製品です。昨今のトレンドや不快な臭いを防ぐ使い方について、「におわない人の習慣」(草思社刊)著者の奈良巧さんに話を聞きました。
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制汗剤やデオドラント製品の利用者が増えている理由
湿度や照り返しなどで、観測される気温以上に高い体感温度を覚える日本の夏。制汗剤やデオドラント製品で、汗や臭い対策をする人も多いでしょう。奈良さんによると、暑さとは別の理由で利用者が増えているといいます。
「アフターコロナといわれますが、臭い業界的にはアフターマスクといった感覚です。マスクで鼻を覆っている間は、自分の臭いも他人の臭いも気になりにくい状態でした。それがマスク生活の終了で、安心感が薄れることに。そのため昨年頃から、制汗剤やデオドラント製品を使わなかった人が、新たに利用するようになったという調査結果もあります」
臭いだけでなく、汗に対しても行動の変化があると奈良さんは指摘。とくに男性は顕著で、ポロシャツやTシャツでも汗対策のインナーを着用する人が増えているそう。
「最近、乳首の透けだけでなく、脇汗による汗ジミが人から見える服につくことに、嫌悪感を持つ人が増えている印象です。昔は素肌にワイシャツという人も珍しくありませんでした。それが違和感を持たれるようになり、ついにポロシャツやTシャツでも……といった感じですね」
ファストファッションの機能性インナーのほか、下着メーカーの高機能商品なども増え、高額なものも売り上げを伸ばしているのだとか。そうしたトレンドからも汗を人に見せたくない意識が、かなり高まっているのを感じるといいます。
同じブランドを使い続ける人も 「商品選びが保守的なのは、もったいない」
現在、市販されている制汗剤の歴史は100年以上になるそう。20世紀初頭にアメリカで、塩化アルミニウムを使った製品が最初といわれています。
「塩化アルミニウムの第1世代から、改良が進んできました。日本ではライオン『Ban』、花王『8×4』などロングセラーブランドのほか、持続性が支持されている資生堂『Agデオ24』といった第2世代まで、従来の制汗剤の進化は汗の出口にフタをする方法です。最近の製品で注目しているのは、先端汗腺研究から生まれたとされるマンダム『EXプレミアムタイプデオドラント』ですね」
実は奈良さんが汗や臭いについて調べ、本を書いた背景は自身が「ワキガに悩んでいる」ため。たくさんのメーカーに取材を重ね、長年、新製品を数多く試してきました。
そんな奈良さんは最近、気になっていた新しい制汗剤を使用し、暑い日に河川敷で草野球を3試合やってみたそう。すると「根本から臭いや汗を抑えるといわれるだけあって、ロールオンを脇に塗っただけで、汗がかなり抑えられた印象です。汗をしっかり抑えると、臭いが防げるのを改めて実感しましたね」と、制汗剤の進化を体感できたといいます。
さまざまな製品を試しているだけに、多くの人の製品選びで気になることがあるという奈良さん。「高校時代に初めて買ったブランドを、ずっと使う人が意外と多いんです。製品自体が進化はしていますが、商品選びが保守的なのは、もったいない」といい、違うものもぜひ試してほしいと語ります。
汗や臭いの悩みは年代でも変化するほか、製品が進化して自身の悩みに合う新商品が出ている可能性があると指摘。しかし、最新情報などをチェックせず、なんとなく見慣れた製品を手に取りがちな人が多いそうです。