どうぶつ
獣医が「99.9%無理」とさじを投げた瀕死の子猫 諦めなかった小児科医の思い通じた「奇跡の猫」
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「黒が多い猫は割と賢いことが多いですね」
林医院は4棟続きの堺の豪邸です。そこに50匹以上の保護猫が住んでいます。4棟は複雑な構造で、中で行き来できる構造になっています。林先生に、たくさんある猫の部屋を案内してもらいました。
最後に案内された4棟目の奥の部屋を見ていたら、向こうからハチワレの猫がやってきて、足元にすり寄る素振りを見せながら、プイッと通り過ぎていきました。あとから詳しく話を聞いた五郎丸が、その猫でした。つまり、来客を知って、わざわざ挨拶に来たということのようでした。
五郎丸はやっぱり賢い猫だと思います。帰り際、林先生に呼ばれると玄関脇の階段を降りて来ました。最初はひょっこりはんのように、こちらをうかがいながら。最後は近づいてきてお見送りしてくれました。長年、猫を見てきた林先生が「黒が多い猫は割と賢いことが多いですね。五郎丸はその典型かもしれない」と言うのを聞いたとき、ハッと思い出しました。
最初に我が家にやってきて、3年前に死んだハチワレのジュテのことです。手足は見事に白い靴下を履いたソックス猫。「ジュテ」は現在飼っている3匹よりも、明らかに賢く、人間を値踏みするようなところさえありました。
林先生は堺の名士としても、豪邸住まいやたくさん猫を飼っていることでも有名で、バラエティ番組に出演したことが何回もあります。ちなみに、4年前には五郎丸も取り上げられています。
次回は50匹以上お世話している保護猫活動について。
(峯田 淳)
峯田 淳(みねた・あつし)
コラムニスト。1959年、山形県生まれ。埼玉大学教養学部卒。フリーランスを経て、1989年、夕刊紙「日刊ゲンダイ」入社。芸能と公営競技の担当を兼任。芸能文化編集部長を経て編集委員。2019年に退社しフリーに。著書に「日刊ゲンダイ」での連載をまとめた「おふくろメシ」(編著、TWJ刊、2017年)、全国の競輪場を回った「令和元年 競輪全43場 旅打ちグルメ放浪記」(徳間書店刊、2019年)などに加え、ウェブメディアで「ウチの猫がガンになりました」ほか愛猫に関するコラム記事を執筆、「日刊ゲンダイ」で「前田吟『男はつらいよ』を語る」を連載中。