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どうぶつ

交通事故で瀕死の野良ねこを保護 死産と眼球摘出を乗り越え力強くごはんを食べる姿に感動の声

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ケージの中でくつろぐよもぎちゃん【写真提供:保護猫のよもぎさん(通院中)(@yomogisan0317)さん】
ケージの中でくつろぐよもぎちゃん【写真提供:保護猫のよもぎさん(通院中)(@yomogisan0317)さん】

 道路上で起きる野生動物の死亡事故「ロードキル」が、年々増加し問題になっています。車を運転中、突然ねこが飛び出してきてヒヤッとした経験がある人も多いのではないでしょうか。今回ご紹介するのは、車にひかれ、片目を失うなどの瀕死状態だったところを保護されたねこちゃんです。まだ療養中ではあるものの、目をつぶって味わうようにごはんを食べる姿に、ツイッター上では応援の声が続出。飼い主さんに詳しいお話を伺いました。

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車にひかれて瀕死状態のねこを保護

 2023年3月17日、飼い主さんは自宅前の道路で、車にひかれて血を流しながら鳴いているねこを見つけました。白い被毛に黒のブチ柄のそのねこは発見当時、左目が突出して顔は血で染まり、呼吸も荒く瀕死の状態だったそうです。

 飼い主さんは「すぐにでも病院に連れていきたい」という思いと、「入院費や治療費を負担できるか」という不安で葛藤したそう。すると、鳴き声を聞きつけたカラスが数羽、ねこを狙っていることに気づきました。そこで意を決して、ねこを保護することに。その足ですぐに動物病院へ連れていきました。

 診察を受けると、顔面の損傷は激しく、アゴがはずれ、左目は完全に飛び出ていることがわかりました。また、お腹の中に赤ちゃんがいることも判明。ところが、事故による身体的なダメージが想像以上に重く、赤ちゃんの心拍はすでに途絶えているということでした。

「よもぎさん」という名に込めた思い

 保護の翌日、飼い主さんはねこちゃんに「よもぎさん」(以下、よもぎちゃん)というお名前を授けました。植物のヨモギが由来になっています。ヨモギには止血や消毒、健康回復を促す抗菌成分があり、昔から万能薬として使用されてきました。そのことから、飼い主さんは命の危険に直面したよもぎちゃんを前に「どうか助かってほしい、元気になってほしい」という願いを込めたそうです。

 よもぎちゃんは、しばらく深刻なショック状態が続きましたが、一命を取り留めました。保護から翌々日には、お腹の赤ちゃんを死産。飼い主さんは、赤ちゃんたちがママを心配して出てきてくれたのではないかと思ったそう。そして、改めて「赤ちゃんたちの分まで長生きしようね」と、よもぎちゃんと誓いました。

 その後、入院を継続しながら健康状態が上向きになるのを待って、よもぎちゃんは突出した左目の眼球を摘出するなど2時間に及ぶ手術を耐え抜きました。保護からおよそ1か月が経った4月16日に無事退院し、現在は飼い主さんのおうちで療養しながら通院しています。