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数千枚の花びらを持つハスが開花 珍しい手助け作業に感心の声 「なんと手がかかるお姫様」
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7月から8月にかけて見頃を迎えるハスの花。池に浮かぶピンクや白の美しい大輪はなんとも幻想的で、日本では仏教の象徴としてもなじみのある花です。ハスにはさまざまな品種があり、なかには人の手を借りなければ開花できないものも。X(ツイッター)では、数千枚の花びらを持つハス「千弁蓮(せんべんれん)」を開花させる様子が話題になっています。動画を投稿した、埼玉県行田市にある「古代蓮(はす)の里」の担当者さんに詳しいお話を伺いました。
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自力では開花できない 2000枚以上の花びらが特徴の千弁蓮
淡いピンク色の花びらが幾重にも重なった、気品あふれる美しいハスの花。これは千弁蓮と呼ばれる珍しいハスの一種で、花径は24~26センチ、花びらは約2000~3500枚にもなるそう。花びらの枚数が多すぎるため自力での開花は難しく、人の手で花びらを開いて手助けする必要があります。
そんな珍しい千弁蓮を育てる「古代蓮の里」では、ふっくらと膨らんだつぼみの状態の千弁蓮の開花をスタッフがサポートしています。「ただ今より千弁蓮の開花を行います」という合図とともに、スタッフさんが慎重に指を花びらの中に入れて開花を手助けしました。
その様子を収めた動画と、美しく咲いたハスの花の写真は、Xで4万件もの“いいね”を集めて話題になりました。リプライ(返信)には「なんと手がかかるお姫様……。美しいですね」「人間が開花のお手伝いをするなんて……すごい! めちゃくちゃきれい」「ハスの着付け師さん、見事なお手前です」「まさかの人力だった」など、驚きと感心の声がたくさん寄せられています。
開花作業は5分ほどで終了 美しく花びらを開くにはあるコツが
42種類、約12万株のハスの花を育てている「古代蓮の里」では、珍しい千弁蓮の開花の様子を毎年SNSで紹介しています。これまでは写真のみを掲載していたそうですが、今回はタイミング良く開花作業を動画に収められたため、作業の様子を公開することができました。
開花作業は通常、スタッフさんが慎重に花びら一枚一枚に集中しながら行い、なんと5分程度で開花させることができるそうです。
「気をつけているのは、両手で作業を行うことです。親指をつぼみの頂点から中に入れると開花させやすいです。焦らずゆっくり、バナナの皮むきのような逆むけにならないよう気をつけています」
ところが、スタッフさんが注意していても、翌日までに逆むけ状態にされてしまうことが多いといいます。
「当園では比較的容易に、人の手が届くところに花芽が出ることが多いため、来園者の方でも触れることが可能です。しかし、多くの人に長い間楽しんでもらうためにも、勝手に開花をさせることは控えていただければと思います」と呼びかけています。
千弁蓮以外のほとんどのハスは朝開き、昼には閉じるサイクルを4日間繰り返したあと、花びらが散ってしまうそう。しかし、千弁蓮は自力で花びらを開くことも閉じることもできないため、花が自然に傷んで変色するまでの1週間程度は、その美しさを楽しむことができるといいます。
「古代蓮の里」では、行田蓮(古代蓮)をはじめとするさまざまなハスを8月上旬まで観賞できます。また、園内にある古代蓮会館の展望タワーからは、ギネス世界記録に認定された世界最大の田んぼアート「田んぼアートin行田」を楽しむことも。珍しいハスをひとめ見に、足を運んでみたいですね。
○取材協力:古代蓮の里(@g_kodaihasu)
(Hint-Pot編集部)