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「日傘マジ邪魔」「ほんと迷惑」 日傘マナー問題はなぜ起こる? 業界団体、メーカーの見解は

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム・佐藤 佑輔

近年の酷暑から男性用の需要も伸びている日傘(写真はイメージ)【写真:写真AC】
近年の酷暑から男性用の需要も伸びている日傘(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 いよいよ梅雨明け、夏本番を前に日傘の需要が高まっています。近年では男性用の日傘も販売されていますが、一方で気になるのが日傘を使う上でのマナーの問題。SNS上では「日傘マジ邪魔」「人混みで日傘差す人ほんと迷惑」といった声も相次いでいます。さらに、一部では男女の分断をあおる声も……。なぜ日傘をめぐったトラブルが起きるのでしょうか。メーカーや業界団体、マナー講師に話を聞きました。(取材・文=佐藤佑輔)

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男性ユーザーが日傘デビューを報告するも、一部で男女間の対立を巡る議論に

 今月7日、SNS上である男性ユーザーが日傘デビューを報告。「男性で日傘を使うことに抵抗があったものの、いざ使ってみると快適で驚いた」という内容の投稿は大きな反響を呼びましたが、一部では「男は『ブスのくせに日傘差すな』とは言われない」「女は日傘を差してるだけで攻撃される」といった声が上がるなど、男女間の対立を巡る議論に発展しています。

 日本洋傘振興協議会(JUPA)の担当者は、男性用日傘の需要や意識の変化について「ここ数年で男性が日傘を使っているシーンが増えたと感じます。環境省も熱中症を予防する上で日傘が有効と広報しており、『日差しから身を守るアイテム』としての認知が男性にも伝わり始めていると感じます。メディアでも男性日傘が取り上げられ、また実際に街中で日傘男子を見かけるようになり、『意外と恥ずかしくない』と感じたり耐えられない酷暑で一度でも日傘効果を体感することで、抵抗なく日傘を差せる男性が増えてきていると感じます」と所感を語ります。

 一方、ネット上で日傘に対し「邪魔だ」「迷惑」といったネガティブな反応もあります。JUPAの担当者は「『雨の日ならまだしも、晴れているのに傘を差すなんて』という感覚の方からしてみると邪魔だと思うのでは。また、差している側の人にも、どのくらいのスペースを自分が占有しているかという感覚を持たずに使用している人もいる。その双方の意識のズレがトラブルにつながることが多いのではないのでしょうか」と分析。「日傘は差している本人も涼しいですが、浴衣姿の人を見るとなんとなく涼感を感じるように、涼しげに上品に日傘を差している人の姿は見ている人にも涼感を与える効果があります。自分だけでなく、周囲の人にいかに涼感を感じてもらえるかを追求することが“日傘上級者”の振る舞いと言えるでしょう」と日傘を使う上でのマナーを説きます。

 遮光日傘や遮光帽子などの日除け対策商品の販売を行う「芦屋ロサブラン」の担当者は、「近年は完全遮光素材の日傘が登場し遮熱効果が注目されていますが、もともとは日焼け防止などの美容目的や、ファッションやアクセサリーとしての側面も強かった。その時代の名残から、『個人の美容やオシャレ目的で他人に迷惑をかけるな』という考えの人が多いのではないでしょうか。特に年配の男性の理解が得られていないと感じています」としたうえで、「実は高齢者の方にこそおすすめしたい。熱中症予防に効果的だと、国も日傘使用を推奨しています。ファッション目的ではなく、命を守るためのアイテムとして誰もが抵抗なく日傘を差すようになれば、トラブルは減っていくのではないでしょうか」と期待を寄せています。

 心理カウンセラーの資格も持つ好印象マナー講師の林慶子さんは、「雨の日はお互い様ですが、日傘は差す人と差さない人に別れることがトラブルの原因だと感じます。日傘を巡りよくトラブルになる場所として、人が多い場所、混雑している場所の他、運動会やスポーツ観戦、テーマパークなどが挙げられます。日傘が邪魔で後ろの人が見えないというものです。こういった場所で日焼け対策を行う場合には、日傘ではなく帽子などを用いる方がスマートといえるでしょう」とアドバイス。あらためて日本でマナーを巡る問題が過熱しやすい理由について「日本人の真面目さや協調性の強さによるもの。本来、マナーとは人への心遣いであって、他人に強要すべきものではありませんが、お互いがお互いを気遣って心地よく過ごせることが望ましいですね」と話しています。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム・佐藤 佑輔)