話題
「飲み方を誤ると健康に大きな問題を引き起こすおそれも」 消費者庁が「経口補水液の正しい使い方」を呼びかけ
公開日: / 更新日:
各地で猛暑を記録し、熱中症への注意が呼びかけられています。さまざまな対処法がありますが、多くの人が意識しているのは水分補給でしょう。そうしたなか、消費者庁の公式X(ツイッター)アカウント(@caa_kodomo)では「経口補水液の正しい使い方」を紹介。スポーツドリンクとの違いなどについて解説しています。
◇ ◇ ◇
経口補水液は「『経口補水療法』に用いる病者用の飲み物」
消防庁の速報値によると、7月8~14日までの全国の熱中症による救急搬送人員は6194人。うち重症者186人のほか、死亡者が5人報告されています。関係機関や報道では、危険な暑さから外出や屋外での運動を控えるよう注意喚起。熱中症対策について、さまざまな情報を発信しています。
多くの人が熱中症予防を意識する昨今、熱中症などの応急処置のため、家庭で備える人が増えているのが経口補水液です。同庁のウェブサイトによると、経口補水液は「水・電解質の補給のために利用できる製品」とされています。
スポーツドリンクと見た目が似ていることや、ドラッグストアなどで手軽に購入できることから、身近な存在になっている印象です。しかし、「脱水症のための食事療法として世界保健機関(WHO)が提唱する『経口補水療法』に用いる病者用の飲み物です」とのことで、投稿に添えたリーフレットで正しい使い方への理解を促しています。
「脱水状態でない方が普段の水分補給として飲むものではありません」
リーフレットでは「知っておこう! 経口補水液の正しい使い方」と題し、Q&Aでわかりやすく解説しています。
Q1. スポーツドリンクと何が違うの?
スポーツドリンクと見た目が似た飲み物ですが、経口補水液はスポーツドリンクよりもナトリウムやカリウムが約3~4倍多く含まれています。
Q2. 暑い日や運動時など、普段の水分補給として使えるの?
一般的なスポーツドリンクなどの清涼飲料水よりもナトリウムやカリウムの量が多いため、脱水状態でない方が普段の水分補給として飲むものではありません。経口補水液は、医師や管理栄養士などと相談し、指導に沿って使用しましょう。
Q3. 食事制限がある人も飲んでもいいの?
ナトリウムやカリウムの摂取量を制限されている方は、飲み方を誤ると健康に大きな問題を引き起こすおそれもあるので、使用前に必ず医師に相談しましょう。また、ナトリウムやカリウム以外に糖質も含まれているため、医師から糖質の摂取量の制限を指示されている場合も注意が必要です。
Q4. 熱中症のときに飲んでもいいの?
脱水を伴う熱中症に効果がある経口補水液もあるので、パッケージの表示をよく確認しましょう。
脱水状態になったとき、経口補水液を適切に飲めば、回復を助けてくれる場合もあります。ただし、機能などを正しく理解する必要があり、体の状態に合わない飲み方をすると健康を損なう可能性もあるようです。
パッケージの記載を確認するとともに、必要に応じてかかりつけの医師や購入時に薬剤師に相談するなどし、正しく活用したいですね。
(Hint-Pot編集部)