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熱中症対策の水分補給で誤解しやすい3つのこと 適切な水分の取り方とは 栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

夏の水分補給には何を飲めば良い?

 夏の水分補給に向く飲み物は、天然水です。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが溶け込んでいるものが良いでしょう。水道水でも問題ありません。また、麦茶もおすすめです。緑茶や紅茶、コーヒーはカフェインの利尿作用があるので、体内の水分が失われやすくなり、あまりおすすめできません。

 甘くておいしい炭酸飲料やジュースなどの清涼飲料水を水分補給とするのも、控えたほうが良いでしょう。これらの多くは、たくさんの糖質を含みます。暑いからといって毎日大量に飲んでいると、水分補給のつもりが、糖質の過剰摂取により肥満や糖尿病などのリスクを高めてしまいます。

 また、以前から警鐘が鳴らされてきた「ペットボトル症候群」になるおそれも。「清涼飲料水ケトーシス」ともいわれ、体重減少や倦怠感、さらには昏睡状態など危険な状態に陥ることもあります。

 アルコールは利尿作用があるため、水分補給どころか脱水が進んでしまう可能性があります。適量を楽しみましょう。

 理想的な水分補給とは、栄養バランスが整った食事を十分に取り、合間に水やお茶などの飲み物でこまめに補給することです。ぜひ心がけてください。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾