仕事・人生
大学在学中の妊娠発覚、学生結婚―4人の母をしながら取締役に バリキャリママのキャリア戦略
公開日: / 更新日:
キャリアアップしたい! 洗濯物をたたみながらTOEICの勉強を
入所後は、人材開発本部でキャリアをスタートさせた毛利さん。「新入社員で覚えることも多いのに、時間や場所などの制約があって、働くことに肩身の狭さを感じた」ものの、周りの方はとても理解があったそう。
「基本は定時上がりでお仕事をさせていただいたり、直属の先輩が上司に高評価の報告を上げてくださったり。本当によくしていただきました」
その後は、長女に次女とさらに2人の子宝にも恵まれ、育児には理想的な職場環境で仕事をしていたといいます。
けれど……毛利さんの心の中では、ある思いが大きくなっていきました。
「今の延長線上でできる範囲の仕事をやっているだけでは、キャリアアップが難しい。そこに壁を感じるように。新しい業務にチャレンジしたい気持ちもありましたね」
そこで、毛利さんは26歳のときに部署異動を希望。異動を実現させるために、独学でTOEICの勉強も始めました。
とはいえ、当時は夫の仕事が忙しく、当時4歳、2歳、1歳の子どもたちが寝るまではワンオペ状態。そのため、「寝かしつけ後の深夜に勉強をしたり、通勤時間や洗濯物をたたみながらリスニングをやったり」と、隙間時間をとことん活用したそうです。
その甲斐あって、TOEICは900点超を獲得。数か月後には異動が叶い、グループ内・世界140か国が参加する人事プロジェクトで、日本のプロジェクトマネージャーを務めることもできました。
仕事に育児に勉強と、フルスロットルな生活で苦しいことも多かったそうですが、新しい学びに目を向けることでなんとか精神を保っていた毛利さん。さらに、愛する子どもの笑顔や「夫のタフなところに救われた」と笑います。
「確かに、夫の帰りが遅く、育児・家事の負担が大きいことにストレスが溜まって、イライラすることも多かったです。でも、その代わりに彼は私が家事をしなくても文句をほとんど言わないでいてくれました。部屋が片づいていなくてもまったく気にせず、レゴブロックにまみれて寝ていたりする。そんな姿を見るにつけ、たくましいな! と思いました(笑)」