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被害に遭うだけじゃない 警視庁が「お金配りアカウント」に注意喚起 「引っかかる人は正常な判断ができない」
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懸賞などを装い「お金をあげる」などの誘い文句で、言葉巧みに個人情報を引き出す詐欺目的のSNS投稿が後を絶ちません。そうした手口で銀行口座情報などを渡してしまうと、被害に遭うだけでは済まないことも。警視庁生活安全部の公式X(ツイッター)アカウント(@MPD_yokushi)が注意を呼びかけています。
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「これでお金がもらえるなら…」 若者が詐欺被害に遭うケースも
警視庁によると、2023年に全国で発生した特殊詐欺の認知件数は1万9038件。合計被害額は452億円に上ります。なかには、「お金を配る」という名目でSNSを通じて銀行口座を聞き出し、犯罪に利用する詐欺も。若者が安易にやりとりをして被害に遭うケースが多くなっているといいます。
警視庁生活安全部は、「お金配りアカウントに注意!」の書き出しに画像を添えて、SNSを利用した詐欺の手口について投稿。添えられた画像には、お金を使いすぎた少年Aが詐欺に遭うまでの様子が描かれています。
少年Aは、「簡単にお金をもらえないかな」とSNSで情報を探し、お金配りアカウントの投稿を見つけ応募。やがて当せんの連絡が届き、「銀行名・支店、口座名義・口座番号、暗証番号」を教えるよう指示されました。
さらにキャッシュカードの郵送先を指定され、少年Aは「キャッシュカードを送るのは気が引けるけど、これでお金がもらえるならいいか」と安易に指示に従ってしまいます。
その後、銀行から入金通知が届き、スマートフォンで口座を確認すると、お金が振り込まれていました。しかし、その5分後には出金通知が。全額引き出されてしまい、ここでようやく自分が詐欺に遭ったことに気づきます。
警察へ駆け込み「お金配りアカウントの相手に銀行口座を渡しました」と相談すると、「君の口座は詐欺で使われた可能性がある。君も犯罪者になる可能性があるよ」と説明を受けます。詐欺の手口の顛末は、「おいしすぎる話には裏がある!」との言葉で締めくくられました。
投稿のリプライ(返信)や引用リポストには、「なんでこんなのに引っかかるの? と思ってしまうが、お金がないとこういうのに飛びついてしまうんだろうな」「暗証番号知らせろとかキャッシュカード送れとか明らかにおかしいのだが、引っかかる人は正常な判断ができないくらい切羽詰まっているのかもね……」「副業勧誘も闇バイトへの勧誘ですからね」などの声が上がっています。
悪質な手口に引っかかり、被害に遭うだけでなく、知らない間に詐欺の片棒を担いでしまう場合もあります。「自分は大丈夫」と思わず、甘すぎる誘い文句には乗らないよう注意しましょう。
(Hint-Pot編集部)