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学習塾の月謝が1科目2万円超え ハワイの教育事情 日本人ママが一抹の不安を覚える理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

大型スーパーマーケット・ウォルマートの「Back To School」コーナー。デコレーションに力を入れている【写真:i-know】
大型スーパーマーケット・ウォルマートの「Back To School」コーナー。デコレーションに力を入れている【写真:i-know】

 ハワイ在住歴10年の45歳の主婦ライター・i-know(いのう)さん。ロコ(地元民)と結婚し、高齢出産の末、2人の子どもたちを現地で育てています。このコラムでは、小学2年生の長男、通称・ロコ男と、プリスクール年代の4歳長女、通称・ロコ美ちゃんの育児を通して感じた、日米の子育ての違いを紹介します。第2回は「ハワイの義務教育」についてです。

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新しい学年の始まりをスーパーマーケットで実感

 日本の義務教育がスタートするのは、6歳になって初めて迎える4月。桜咲く春に小学1年生になるのが常識ですよね。一方、アメリカは“秋入学”と認識されていると思いますが、実際は8~9月、夏から夏の終わりにかけて始まる州がほとんどです。ハワイはそのなかでも早い、8月初旬に学校が始まります。

 ハワイの8月は夏真っ盛り。日本で生まれ育った私からすると、桜を見ただけであの頃の出会いと別れを思い出しキュンとする感覚がありますが、真夏のハワイに桜はなく、そうした感覚を呼び起こされることはまったくありません。

 それでも入学・進級を実感するのは、スーパーマーケットやショッピングセンターの売り場が様変わりするからです。7月に入ると、ウォルマートやターゲットなどの大型スーパーでは「Back to School」と銘打ったイベントが開催。文房具やバックパックなど、学校で必要なものがズラーッと陳列されます。

「GAP」や「OLD NAVY」といったアパレルショップでも、新しい洋服の購買を促す「Back to School」セールが開催されるので、その光景を見ると「入学・進級の時期だなぁ」という気分になります。

アメリカのプレ小学校、キンダーガーデンとは

入学の半年前から、小学校入り口にキンダーガーデン募集の垂れ幕がかけられる。市町村からの連絡はなく、自分で忘れずに行かなければならない【写真:i-know】
入学の半年前から、小学校入り口にキンダーガーデン募集の垂れ幕がかけられる。市町村からの連絡はなく、自分で忘れずに行かなければならない【写真:i-know】

 もうひとつ、日本と大きく異なるのは義務教育が始まる年齢です。アメリカではなんと、5歳から義務教育がスタートします。日本で5歳というと、幼稚園や保育園の年長さんですよね。

 アメリカでは、小学1年生になる1年前からキンダーガーデン(kindergarten)という義務教育が始まります。各市町村の公立小学校に併設されている、小学校の準備クラスです。

 ちなみに、アルファベットをそのまま読むと「キンダーガーテン」ですが、語源がドイツ語の「kindergarten(キンダーガルテン)」であることに関係しています。英語では「kinder garden(子どもたちの庭)」を意味し、表記はドイツ語のまま、英語読みで呼ばれているのです。

 では、キンダーガーデンでいったい何をするのか? まず入学前に、アセスメントと呼ばれる実力テストが実施され、アルファベットをどれくらい読み書きできるか、数字をいくつまで数えられるかをチェックされます。数字は30まで言えるように準備していくのが一般的ですが、5歳の時点で100まで言える子も少なくないです。

 結果が悪いからといってキンダーガーデンに入れないことはなく、アセスメントの結果と教室内での態度を見て、クラス分けの材料にするそう。同じレベルの子どもを集めるのではなく、上位、中間、下位の子どもがまんべんなく、ひとつのクラスになるように配慮されているそうです。

 アセスメントが終わり、クラスが決まればいざ入学! 学習内容はABCに始まり、学年が終わる頃には簡単な文章を書いたり、1桁の計算問題が解けたりするまでに。プレ小学校的なカリキュラム内容なので、日本の人には「キンダーガーデンは小学0年生です」と言ったほうが、すんなり納得してもらえることが多いですね。