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子どもが欲しい夫 今は考えたくない妻の埋まらない溝 家族計画が白紙なことに悩む夫婦達
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ケース2:孫の誕生を催促する義両親 夫からも求められ…私のキャリアはどうなるの?
都内在住のめぐみさん(32)は、2年前に1歳上の夫、直樹さん(仮名)と結婚。直樹さんはいわゆる士業で平均より年収は高いのですが、お互いの奨学金の返済や将来的に家を購入することなどを考え、めぐみさんの働き続けたい意思もあり、結婚前に共働きを続けることに決めました。
直樹さんの田舎の両親は孫の誕生を強く願っており、めぐみさんに対しても婚約時から子どもを催促するようなことを言われていたそう。直樹さん自身も「子どもがほしい」という願望は元々とても強いそうです。
とはいえ、義理の両親と近距離別居をする義兄夫婦のもとには3人の子どもがおり、めぐみさんは出産時期について、のちのち大きな問題になるとは思ってもいなかったのだとか。
「私自身はふたりの生活をしばらく楽しみたかったですし、夫の応援もあって結婚直後に転職もしました。仕事は少し忙しくなってしまったのですが、以前の職場よりも責任ある立場になり、子どもをすぐに考えることができなくなってしまいましたが、とてもやりがいを感じるようになったんです」
しかし、転職から1年が経った頃から、義父から頻繁に「子どもはいつ?」と直接、催促の連絡が来るようになりました。めぐみさんはそのことを直樹さんに相談しましたが、直樹さんは何が悪いのか分からないと言った様子で、その日から直樹さんからも早く子どもがほしいと言われるようになってしまったのだそうです。
ある日、めぐみさんは虫の居所が悪く、寝る間際に夫からしつこく子どもの話を持ち掛けられたところ、大ゲンカになってしまったことがありました。
「思わず『女の方が環境の変化が大きくて大変なのに、簡単に子どもを産め産め言わないでよ』って、怒ってしまったんです。そうしたら、いつもは温和な夫が怒ってしまって……」
「女ばかり大変って言うな」と怒ったという直樹さん。男性も経済面や生活環境が変わる不安はあると訴えてきたそうですが、直樹さんは職業柄、午前様が多く、育休を取得するのも難しい状況。現在も家事のほとんどはめぐみさんが担っているといいます。
「もちろん子どもができたときに、男性が大変なことも理解していかなければいけないのですが、自分のキャリアに対しては貪欲な夫が、私のキャリアに関してはあまりに無関心なのが悲しいですね。『子どもを産め』と言うばかりで、一緒に託児サービスや保育園など働きながら子育てしていくための具体案を考えてくれないのにも不満です」
子どもに対して前向きに検討はしているというめぐみさんですが、妻のキャリア継続に非協力的な態度に不信感がぬぐえないため、まだ決心がつかないそうです。
ふたりの女性は、今のところ離婚は考えていないそうですが、変わらずに仕事を続けることを希望しています。だからこそ、この先、出産して育児していく自分を思い描くと、夫の考えや態度に不安や不信感しかなく、この先どうして良いものか、決めかねるといいます。
(Hint-Pot編集部)