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「日本の先生は、文字の修正が細かすぎる!」の声の一方で ハワイの教育はおおらかに見えるけれどスパルタ? 通知表の細かさに驚き

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

成績が悪いと夏期講習も! 4歳で移住した息子の成績は

一番上のグラフ「Status Report Scale」が評価の基準となり、成績がつけられる【写真:i-know】
一番上のグラフ「Status Report Scale」が評価の基準となり、成績がつけられる【写真:i-know】

 こういった成績に基づいて、結果が芳しくない生徒は、放課後に週2回ほど補習クラスを受講することになります。時間は約1時間。もちろん無料なので、「塾代がかからなくて済む!」と喜んでいたママ友もいました。

 補習クラスの効果が得られなかった生徒は、学年修了後の夏休み期間中、夏期講習への参加が求められます。担任の先生から「夏期講習に参加してください」と連絡がありますが、強制ではないので、参加させるかさせないかは親しだい。

 先生から夏期講習のオファーがあったことにショックを受けるママ友もいれば(成績が悪いということなので)、2か月と長い夏休みのうち1か月、無料で学校に通ってくれるのでオファーを喜んでいるママ友もいました。時間は午前中の3時間だけですが、私の周りでは喜んでいるママ友のほうが圧倒的に多かったです。

 さて、我が息子、7歳のロコ男の場合。ハワイに引っ越したのは4歳になる直前で、当時は英語がまったくしゃべれず、ABCの歌すら歌えませんでした。

 その状態からハワイのプリスクール(日本でいう保育園)に1年通い、ビシバシと英語教育を受けましたが(ハワイのプリスクールは勉強が中心。その話は別の機会に)、ロコ男はキンダーガーデンでほかの生徒のレベルに追いつけるのか? いつ補習クラスに呼ばれるのだろうと、ひやひやしながら過ごしていました。

 というのも、キンダーガーデンでは絵日記を通して文章を書く練習があり、ロコ男の絵日記は毎回、単語のスペル間違いがあったのです。バイリンガルで育っているがゆえに語彙力が少なく、スペルもあやふや……。ところが親の心配とは裏腹に、先生はスペルを一切修正することなく絵日記に☆印(花丸のようなもの)をつけてくれます。

「先生はロコ男を励ますために☆を書いてくれるのね(涙)」。そう思っていたら、なんとアメリカの先生はスペルを修正しないのが一般的だそうです。知らなかった!

文字コンプレックスがある夫 日本の細やかな文字指導は大切なこと?

 日本で育ってきた私は当然、書き間違いを直されてきました。この夏、ロコ男は一時帰国中に日本の小学校に通学したのですが、「あ」「お」「わ」の最後のおしりの部分とでもいいましょうか、その部分を小さめに書くと、大きく書くよう赤字で修正されていました。

 書いては修正され……のトライ&エラーを繰り返し、きれいな文字を習得していくのだと思っていましたが、アメリカはスペル間違いの修正はおろか、アルファベットの見た目バランスを先生から指摘されることもありません。

 だからなのか、ハワイで生まれ育った私の夫が書くアルファベットは、日本でいうギャル文字のよう。私が書くアルファベットのほうが大人っぽくて上手だと夫は言います。

「日本の先生は、文字の修正が細かすぎる!」「子どもの名前まで修正された!」と憤っていた日本のママ友もいましたが、ギャル文字しか書けない夫は文字コンプレックスを抱えているので、日本の細やかな文字修正には、実はとても意味があるのでしょうね。

 結果として、ロコ男は補習クラスにも夏期講習にも呼ばれることなく、キンダーガーデンを終えました。良かった! と胸を撫で下ろしましたが、置き去りになったままの“スペル間違えている”問題。これは家庭で指導しなければいけないので、親の負担は日本に比べてハワイのほうが大きい気がします。

(i-know)

i-know(いのう)

大学卒業後、即フリーランスライターに。お笑い雑誌やファッション誌で、著名人のインタビューを中心に活躍。大好きな東方神起に取材できたことを機に、日本のキャリアに一区切りをつけ、2013年、単身ニューヨークへ。2015年、ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現在は2人の子ども(7歳、4歳)を完璧なバイリンガルに育てるべく奮闘している。