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義母の介護を拒否…遺産相続で大きな溝 離婚を希望する女性に夫婦カウンセラーの見解は
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教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ
親が高齢になると家族間でトラブルになりがちなのが、介護を誰が引き受けるかという問題です。夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんがお悩みに答えるこの連載。今回の相談者は、夫の親の介護を拒否したことで関係性に大きな溝ができてしまったという50代女性です。どのようなお悩みを抱えているのでしょうか。
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「介護は実子」 義母との同居や介護を頑なに拒否
坂谷真梨さん(仮名・58歳)は、25歳のときに旅先で偶然出会った5つ年上の夫と遠距離恋愛の末に結婚。夫はサラリーマンでしたが、生まれ故郷である北海道を離れる意思はなく、結婚するのであれば真梨さんが北海道に住むことがつきあっている頃からの条件だったそうです。夫を愛していた真梨さんは、快く移住を決意しました。
私は結婚してから30年以上、専業主婦として家庭を守ってきました。夫や義両親、その親戚とも揉め事を起こすことなく、うまくやってきた自信もあります。長女と長男が無事に巣立ち、ホッと一安心。そんななかで降って湧いたのが、義母の介護問題だったんです。
義父は15年ほど前に事故で亡くなっていて、それ以降、1人残った義母は義姉が率先して面倒を見てくれていました。しかし、3年半ほど前に、義兄(義姉の配偶者)が海外勤務になり、義母の面倒を我が家が見る必要が出てきたんです。
子どもたちがいなくなった今、部屋も余っているので、夫は体が弱ってきていた義母との同居を提案してきました。しかし、夫は働いているため、必然的に私が義母のお世話をすることになります。私は子育てがようやく一段落して、自分の老後を楽しみたい。それなのに、なぜ義母の面倒を見なければならないのだと疑問に思い、同居は考えられないし「介護は実子」が当たり前だと夫の願いを突っぱねました。
そもそも私は夫のために北海道に移住してきたため、自分の両親から離れて暮らしてきました。それなのに、夫は私の両親を気遣うことなく、自分の親だけを大切にしようとするばかり。そう思ったらどんどん悔しさや不満が心の中に溜まっていき、しつこくお願いしてくる夫に「私は絶対に何もしない。介護をしたければ自分で勝手にやってちょうだい」と、夫に強い口調で伝えてしまったんです。
夫は諦めたのか、その後、月の半分以上を実家で過ごし義母の面倒を見ていました。昨年秋に義母が亡くなったのですが、最期の半年間ほどは入院。その間、私は一度も見舞いに行きませんでした。葬式にはもちろん参列しましたが、夫はもはや私に頼ることはなく、私は居心地の悪さを感じながら過ごしました。
とはいえ、これでまた穏やかな生活を取り戻せると思った矢先、義母の四十九日が終わって落ち着いた頃に遺産分割が行われ、屈辱的なことが起きたんです。遺産は義母の遺言書の通りに分配されることになりました。義母は義姉と夫だけでなく、孫たち、そして義兄にまで、それぞれ数百万単位の遺産を分け与えたんです。ところが、私にだけ1円も遺してくれませんでした。
同居問題が起こるまでは、私も義母とつつがなくやってきたんです。それなのに、介護を手伝わなかっただけでこの扱い。あまりに納得がいかず、義兄にはあるのに私にはない理由を尋ねたところ、はしたないと夫からきつくお灸を据えられてしまいました。
あれ以来、夫は身の回りのものを持って義実家に移り住んでしまいました。夫と連絡を取り合うことはほとんどありません。でも、毎日ムカムカは収まらず。家庭をないがしろにして、親の介護を優先してきた夫に対して慰謝料を請求し、離婚して地元に帰るべきか悩んでいます……。