豊かな自然に囲まれた場所では、忙しない都会ではなかなか見られない、珍しい生き物と出合うことがあります。X（ツイッター）では、山小屋での暮らしのなかで遭遇した、かわいらしい“訪問者”に注目が集まっています。とても貴重な様子が投稿されると、3万件を超える“いいね”が。投稿者のけてぃ/千枚小屋の小屋番（@ktty0629）さんに、詳しいお話を伺いました。

　◇　◇　◇

夏毛のオコジョが姿を見せるように

「昨日からオコジョが小屋の周りに現れるようになった……！」

　思わず気になるコメントとともにXに投稿された動画には、1匹の小さなオコジョが映っています。背中は茶色い被毛に覆われ、腹側はきれいな白毛が。シッポの先は黒毛になっていてとてもキュートです。

　オコジョと聞くと、真っ白くてかわいらしい姿を思い浮かべますが、それは冬毛の状態。夏毛は茶色になるのが特徴です。実は、愛らしい見た目からは想像できないほど気性が荒く、ときには野ウサギや野鳥を襲うこともあるといわれています。

　オコジョは食べるものを探しにきたのでしょうか。すぐその場を離れようとしましたが、あたりをきょろきょろ見渡しながらけてぃさんのそばへ。しかし、くるりと振り返り去っていきました。

　この様子がXに投稿されると、3.1万件の“いいね”が集まりました。リプライ（返信）には、「野生で生きるうえで、かわいさがなんの役に立つのかよくわからないのに、ありえんほどかわいく進化した謎の生き物」「かわいすぎますね」「会いたい！　行きたい！」「こんな激かわ天使が野生におるんか……」などの声が上がっています。

山小屋の外回りを清掃中にオコジョと遭遇

「山が好きすぎる」というけてぃさん。山小屋に住み込みで働くため、東京を離れ長野県松本市に移住しました。

　普段は、長野県にある山小屋で働く人向けのシェアハウスに暮らしていますが、7月から10月までの間は、静岡県静岡市にある千枚小屋に住み込みで働いています。千枚小屋では、売店や宿泊客の受付、建物や設備などの保守、食事の調理、清掃、登山道の整備などを行っているそうです。

　そんなけてぃさんが千枚小屋での暮らしを始めてから35日目、なんとオコジョと遭遇しました。

　この日、けてぃさんは午前11時頃に山小屋の外回りの清掃をしていました。すると、裏口にあるドアの隙間から小屋の中に入ろうと動き回っているオコジョを発見。しかし、オコジョは隙間からどこかへ行ってしまい、そのまま姿を隠してしまいました。

「実はオコジョを見たのは2回目で、1日前に小屋の中に入ってきて隙間に隠れながら動き回っているのを見ました。ほかの動物に比べてオコジョに会える確率は低いとよく聞くので、見ることができてうれしかったです」