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エアコンの冷房と除湿をこまめに切り替えてはいけない 3つの理由を掃除のプロが解説
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教えてくれた人:伊藤 まき
高温多湿の日本の夏。エアコンが欠かせない日が続いていますが、夏場はカビが生えやすいため、定期的な掃除が必要です。それなら、湿気を取り除ける除湿機能を使えば、カビが生えにくくなるのではと思うかもしれません。しかし、除湿機能を使用したからといって、エアコン内の水分が除去できるわけではないのでご注意を。片づけ&掃除のプロである整理収納アドバイザーの伊藤まきさんに、除湿機能の使い方のコツを教えてもらいました。
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除湿モードでは、エアコン内の水分はなくならない
暑い夏場、主に使用するのは冷房もしくは除湿モードでしょう。冷房を使用するとエアコン内で結露が発生し、その水分はドレンホースから排出されます。しかし、すべて排出されるわけではないので、内部は水分が残ってジメジメとしています。
それならば、除湿モードであれば、湿度を下げる機能だからカビが生えにくくなるだろうと考える人もいるでしょう。しかし、除湿も冷房とほぼ同じ仕組みのため、内部に水分が溜まります。
しかも、エアコン内は、空気と一緒に取り込んでしまったホコリが溜まりやすい構造です。そのホコリにエアコン内部に残った水分がくっついて汚れになり、それをそのまま放置すると、カビが生える原因になってしまいます。
なるべくカビを発生させたくない場合は、使用後1~2時間ほど送風モードにして、エアコン内部を乾かすようにしましょう。そうすればカビの発生を防ぐことができます。送風モードがない場合は、冷房を最高温度にして運転するといいでしょう。
また、冷房と除湿モードをこまめに切り替えて使うのはNG。それには、以下のような理由があります。
○室内に結露が発生しやすくなる
部屋の中の温度も湿度も下げてしまうと、屋内と外気温の差が大きくなりすぎて、窓などに結露が発生しやすくなることがあります。結露で溜まった水がカビやダニが発生する原因となり、健康被害や建物の劣化につながる可能性も。
○電気代が高くなる
除湿機能を使うと、意図せず室温が下がりすぎてしまうことがあります。そこで冷房に切り替えてしまうと、室温を上げようとしてエアコンが余計な電気を使うことに。その結果、電気代が余計にかかってしまいます。
○エアコンの故障の原因になる
冷房機能と除湿機能を交互に使用すると、エアコンに負荷がかかりすぎて故障の原因になってしまうことがあります。
湿度が高いけれど気温はそれほどでもなく、室内の温度をあまり下げたくない場合は除湿を使い、部屋の温度も湿度も下げたい日は冷房を使うなど、使い分けを工夫するといいでしょう。まだまだ暑い日が続くので、エアコンに負荷がかかりすぎないよう上手に使いたいですね。
(和栗 恵)