「もし見つからなかったら…」　事態の深刻さに顔面蒼白だった息子さん

　パスポート捜索に協力してくれたのは総勢10名ほどで、携帯電話や無線を使って連携し、一生懸命に探してくれました。搭乗直前の紛失発覚でしたが、多くの人の尽力で発見までの時間はおよそ20分。その5分後には、息子さんの手元に届きました。

　投稿者さんは「心から感謝する出来事だったので、文字にしておきたかった」と、投稿の理由を明かしました。そして、パスポートを一時的に紛失し、大変な事態に陥りかけた息子さんは「これからは落ち着いて行動する。ちゃんと注意深く確認する」と深く反省したそうです。

　実は当時、息子さんは事の重大さから顔面蒼白に。「立ち尽くしたり、頭を抱えてしゃがんだりしながら『おかん、先に日本に帰っていいよ』『もし見つからなかったら、一生償っても償い切れない』と言っていました」と、事態を深刻に受け止めていました。

　投稿者さんによると、息子さんは明るい性格ながら、反抗期の真っ只中。今回のことは大変でしたが、親として息子さんには得がたい経験になったと感じているようです。

「周囲の助けや優しさに支えられて生きているということ、他者に対するリスペクトや感謝を息子には学んでほしいと常々思っていました。今回の出来事では、自分のためにどれだけ人が尽力してくれるのか、その優しさと努力を目の当たりにしたと思います。この経験と周囲への感謝を忘れず、生きていってほしいです」

カタールでは空港以外でも親切な人たちとの出会いが

　実は、カタールから日本へのフライトは前日の予定でした。しかし、台風の影響を受け欠航。急遽1泊することになったものの「滞在するホテルもカタール航空がすぐに手配し、全額負担してくれました」と、トラブル前日に起きたハプニングへの対応も素晴らしかったといいます。

　さらにカタール航空スタッフの対応では、ゲームの話をしてなごませてくれた男性スタッフが印象的だったそう。別れ際、息子さんに「お母さんを大切にね。君のお母さんは、君のパスポートを探すために最大限の努力をしてくれたんだよ」と言い聞かせてくれたのが、とてもうれしかったと明かしました。

「サッカーと砂漠のイメージしかなかったのですが、ホテルの方も近くのスーパーマーケットの方もとても親切。さまざまな人種の方が働いていて、気軽に話しかけてくれるのがおもしろかったです。偶然ホテルのエレベーターで一緒になった地元のご夫婦も、カタールでの滞在を『楽しかった？』とにこやかに聞いてくださって……。またカタールに行きたいなと、本気で考えています」

　旅先でハプニングやトラブルに見舞われると、ネガティブな印象が残ることもあります。しかし、投稿者さんがカタールで出会った人たちは、それらを素敵な思い出深い体験に変えてくれました。またいつか、そんな人たちと再会する旅ができるといいですね。

（Hint-Pot編集部）