Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

海外ニュース

洗濯1回に3時間かかることも イギリスの洗濯機事情に驚いた日本人女性 日本の技術に感動したワケ

公開日:  /  更新日:

著者:Moyo

汚れは落ちていないし、乾燥していないしシワだらけ

日本では脱衣所にあることが多い洗濯機。イギリスではキッチンにあるのが一般的【写真:Moyo】
日本では脱衣所にあることが多い洗濯機。イギリスではキッチンにあるのが一般的【写真:Moyo】

 こんなに長時間洗っているなら、「どんなに頑固な汚れもさようなら」というくらいきれいになっているのかと思えば、そういうわけではありません。たとえば、普通に使用した洋服や、キッチンクロスなどを洗ったとしましょう。ひどい汚れがついているわけでもないのに、とくに「すごくきれいになった!」というレベルで出てくることはまずありません。うっかりシミ取りなどを忘れて洗濯してしまうと、目に見える汚れはそのままのことが多いです。

 また、メニューには乾燥モードもついていますが、その乾燥機の恩恵を受けたことがありません。この乾燥メニューも基本的に1時間ほどかかるので(時短モードもものによってはありました)、そんなにかかるならさすがにしっかりと乾燥するだろうと思いますが、洗濯機のドアを開けた途端感じるのはもわーんという湿気。洋服はもちろん湿ったままです。

 最初の頃は懲りずに、入れた洋服が多すぎたから次は減らしてやってみようかな、もう一回回せばさすがに乾くかなと思っていろいろと試しましたが、あの日本の乾燥機で仕上げたようなホワホワでふわふわの洗濯物に出合ったことはありません。相性が悪かったのか、ものによってはびしょびしょのまま出てきたこともありました。なんのために電気代を使って乾燥させたのかと、疑問に思うほど。

 乾燥モードを使っても時間がかかるだけでトラブルしか生まず、自然乾燥させるほうがストレスなく簡単と気づき、余計な悪あがきはやめるようになりました。

 また、よく日本人同士で話題になっていましたが、出てきた洗濯物のシワがすごいのも気になるポイント。洗濯ネットに入れても、柔軟剤を入れても、手ごわいシワがついて出てきます。すべてにアイロンをかけるのもひと苦労。友人のひとりは毎回のアイロンがけが面倒なので、手で頑張って伸ばしていると話していました。

 さらに、一回洗濯を開始すると、途中で開けてストップすることができないのも大きな違いです。一時停止ボタンは一応ありますが、本当にただ止まるだけで、ドアのロックはかかったまま。入れ忘れた洋服があるから追加しよう、もしくは色ものと白ものを分け忘れた! と思っても何もできません。

 日本へ帰るたびに、縦置き洗濯機でもたった30分~1時間の冷水で洗っただけで、汚れがしっかり落ちてきれいに干せる状態で出てくるすごさはもちろん、最新ドラム式洗濯機の性能にも感動してしまいます。ぜひ、この情熱と技術をこちらの洗濯機にも分けてほしいなと思います。

(Moyo)

Moyo(モヨ)

新卒採用で日本の出版社に入社するも、心身ともに疲弊し20代後半にノープランで退職。それまでの海外経験は数度の旅行程度だったが、イギリスへ語学留学ののち移住した。そのまま、あれよあれよと7年の月日が経ち、現在はフランスに在住。ライター、エディター、翻訳家、コンサルタントとして活動している。最近ようやくチーズのおいしさに少し目覚める。