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「英語はツールとして考えてほしい」 ニュージーランド人が日本の英語教育に不思議顔 その理由とは
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多くの外国人が日本を訪れ、街中で見かけない日はほぼありません。国際化が進んでおり、日本では2020年度から小学校での英語教育が必修化されています。2年前に来日し、日本の生活に慣れた英語教師のニュージーランド人男性は、日本人の英語に対する意識について疑問を抱いたようです。いったい、どうしてなのでしょうか。
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日本で2年間生活 コンビニは「欠かせない」存在に
ニュージーランド最大の都市・オークランドから2年前に日本へやってきたイハカさん。学生時代に日本語や日本文化を学んだことから日本に興味を持ち、現在は長野県松本市で英語教師として働いています。
日本での生活はすっかり板についているようで、街のあちこちにあるコンビニエンスストアは、イハカさんにとって「日本での生活に欠かせない」存在になっています。
「職場へ向かうまでにコンビニで必ずゼリー飲料を買って、飲んでから仕事へ行くのが日課です。このようなものは、ニュージーランドにはないと思いますよ。少なくとも私がいた数年前にはありませんでした」
日本で英語は勉強の域を出ない 「ツールとして考えてほしい」
栄養をしっかり補給したうえで、イハカさんが注力しているのは英語を教えること。主に子どもたちに英語を教えているそうですが、不思議に感じることがあるといいます。
「英語を使って将来、世界に出ていこうとか、旅行したいなどと思っている子どもが少ないな……というところです。日本での英語は、受験や試験勉強の側面が強いのかもしれません。両親が英語を話せないから、習わせているというご家庭もあります」
イハカさん自身は、学生時代に日本語を学んだり日本文化に触れたりしたことで、日本で生活する機会を得られたと胸を張ります。そうした経験を持つからこそ、日本では英語が実用的に使われるのではなく、教科のひとつとしてとらえられがちな点に警鐘を鳴らしました。
世界的な語学学校運営企業による2023年の調査で、英語を母国語としない国・地域での「英語能力指数」ランキングにおいて、日本は87位。若い世代の英語力低下が目立っているといいます。
「英語はツールとして考えてほしいなと思います。英語ができれば、行きたいと思った国に行けるかもしれない、話したいと思った人と話せるかもしれないですからね」
英語の話者人口は世界で15億人を超えるとされ、日本語の1億2000万人をはるかに上回ります。英語というツールを手に入れるだけで、それだけ多くの人とのコミュニケーションが可能になり、世界が広がることにもつながります。
「ここの暮らしは私に合っている気がします」というイハカさん。多くの子どもたちに英語を教えて、子どもたちの世界を広げてあげてほしいですね。
(Hint-Pot編集部)