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「めちゃめちゃ怖いミカン」にネット震撼 不気味な姿になったワケを果樹園の担当者に聞いた
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ミカンはデリケートな果物。さまざまな影響を受け、収穫を迎える前に出荷できない状態になることもあるといいます。X(ツイッター)では、なんともおそろしい姿になったミカンが話題です。どうしてそうなってしまったのか、投稿した「のま果樹園」の担当者さんに詳しいお話を伺いました。
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無数の粒がむき出しになった不気味な姿
「めちゃめちゃ怖いミカン2024」
思わずゾッとするコメントともに投稿された1枚の写真。そこに写っていたのは、外側の皮が緑色の、成長途中のミカンです。これからどんどんおいしくなっていくはずが、なんとも不気味な姿に……。
外側の皮がぱっくりと裂け、中のオレンジ色の粒がむき出しになった様はまるでエイリアン。近づいてはいけない、危険な雰囲気を醸し出しています。
投稿は反響を呼び、4.5万件の“いいね”が集まりました。リプライ(返信)には「逆に食べられてしまいそう」「見た目怖いけど実は心優しいやつだったりするからな、ミカンの世界は」「食虫植物みたい」「食うか食われるか、人類とミカンの死闘が始まる」「マリオに出てくるあいつを思い出した」など、さまざまな声が寄せられました。
雨の降り具合によって5割以上が割れてしまう場合も
まさかの姿になってしまったミカンは、「甘平(かんぺい)」という品種。独特なシャキシャキとした食感と、とても強い甘味が特徴です。担当者さんによると、出荷時期は1月下旬頃~2月下旬頃だといいます。
また、甘平はほかのミカンと比べて外側の皮が非常に薄く、裂けやすい品種とのこと。今の時期は、話題になった写真のような状態になることがよくあるそうです。
「柑橘は根から水分を吸い上げて果実が大きくなります。晴天続きで乾き切った土壌に大量の雨が降ると、一気に水分を吸い上げて急激に実が大きくなるのですが、皮がそれに追いつかず裂けてしまいます。時期的には果実が成長して、ある程度の大きさになっていますが、9月頃は台風や秋雨の影響で、裂けてしまうことが頻発します」
大切に育てていても自然の力には抗えず、「その年の雨の降り具合や各農家さんの水分管理の状況にもよりますが、被害が1~2割程度で済むこともあれば、5割以上が割れてしまうような場合もあります」と、担当者さんは説明しています。
せっかく順調に育っていても、裂けてしまっては売りに出すことができません。雨や風にさらされながら力強く育ち、手間をかけてしっかり選別されたものは品質が担保されていることから、「当たりはずれは少ないと思います」と担当者さん。
「重要なのは通気性と温度で、風通しのいい冷暗所が望ましいです。ミカンも生き物で呼吸していますので、大切に扱ってあげてください」と、ミカンをおいしく保存するコツについても教えてくれました。
「愛媛のミカンを、産地直送で全国にお届け」しているのま果樹園。台風の影響が心配ですが、立派に育ったおいしいミカンを楽しめるのが待ち遠しいですね。
○取材協力:みかんのことなら「のま果樹園」(@nomakajuen)
(Hint-Pot編集部)