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「日本の先生、働きすぎ問題」 ハワイから体験入学した親子が感じたギャップとは 労働環境以外にもさまざまな違いが
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アメリカ・ハワイのロコ(地元民)と結婚し、小学2年生の7歳男児(通称・ロコ男)と、飛び級でキンダーガーデンに進級した4歳女児(通称・ロコ美)の2人を育てている45歳・主婦ライターのi-know(いのう)さん。夏休みに一時帰国した際、子どもたちは日本の幼稚園や小学校へ通っていました。その経験を通して、このコラムでは日米の子育てや、i-knowさんがそれぞれの学校生活で「ここが変だよ」と感じたこと、逆に「いいね!」と思った点などを紹介します。第8回は「日本の先生、働きすぎ問題」です。
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夕食時に学校から電話がかかって来てびっくり
日本の小学校に子どもを体験入学させ、いろいろと考えさせられたことのひとつが、昨今、社会問題にもなっている「日本の小学校の先生、働きすぎ(働かされ)問題」。身をもってそれを実感したのは、ロコ男の担任の先生からかかってきた電話でした。
通い始めて最初の1週間は、事務的なことで先生から連絡をもらうことがたびたびありました。電話がかかってくるのは、いつも午後6時半前後。みんなで夕食を囲んでいたときでした。
そんな時間まで日本の先生が働いているとは知らなかったので、先生から初めて電話をもらったときは、何か緊急事態でも起こったのかと胸がバクバク! ところが、話を聞いてみるとなんてことのない連絡事項でした。
電話を切る間際、先生は「じゃあ、これから担当の者に話してみます」と言っていたので、電話を切ったあともまだ働き続けたことでしょう……って、日本の先生はいったい、何時間労働なんですか!?
日本とハワイの教師 労働時間に大きな差が
学生向けの進路サイト「スタディサプリ」で紹介されている「小学校教諭の1日」のスケジュールによると、小学校の先生は午前7時半頃に出勤し、午後8時頃に帰宅するのが平均だそう。つまり12時間半労働ということです。昼食は子どもたちと一緒に食べているので、休憩時間には当てはまらないと考えたら、12時間半ほぼ働きづめといっても過言ではないでしょう。
一方、ハワイの先生はというと、始業時間の午前7時50分に合わせて7時半頃に登校。午後2時に終業して、児童が帰宅したあとは午後3時半までしか働きません。つまり労働時間は8時間。
そのうち体育、社会、理科、ハワイの歴史を学ぶ授業など、担任の先生は受け持たない授業がいくつかあります。さらに、ランチは子どもたちと一緒に食べないので、実質7時間労働以下だといわれています。
ランチタイムについて深堀りすると、ハワイの子どもたちはカフェテリアでランチを食べ、ランチタイム専門の従業員やアルバイト(生徒の保護者が多い)が配膳の手伝いや掃除などすべてを担当します。
日本のように子どもたちが机を拭いたり、配膳や片づけをしたりすることは一切ありません。ちなみに、海外在住の日本人ママの多くは、日本のように給食を通してマナーやルールを学ぶスタイルが好きです。
その間、担任の先生は自分の教室でランチを食べます。完全な休憩時間なので、会社員のようにスマートフォンをいじったり、家族や友達に連絡したりするのももちろんOK。アメリカには職員室がなく、自分の教室自体がオフィスになるので、先生の一日の業務のほどんどが教室内で完結します。