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「地域に愛されているのを実感」 鹿児島県で外国人労働者の受け入れ支援をする女性 事業を始めた理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

インドネシアから鹿児島県に受け入れた特定技能生【写真提供:宮之原明子】
インドネシアから鹿児島県に受け入れた特定技能生【写真提供:宮之原明子】

 人手不足が深刻化するなか、外国人人材は新たな労働力として、大きな期待が寄せられています。2016年に外国人人材サポート業に乗り出し、鹿児島県への受け入れに多くの技能実習生の支援をしている、人材派遣会社清友の社長・宮之原明子さん。文化や宗教の違いから起こる地元の人たちとの摩擦など、これまでさまざまな苦労がありました。しかし、今では外国人労働者は、地域にとってかけがえのない存在になっています。外国人人材サポートを始めたきっかけと共生への思いをお聞きしました。

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瞳をキラキラと輝かせて働くベトナム人実習生を見て印象が激変

 鹿児島県を活性化させるため、多様性ある人材活用を目指している宮之原さん。披露宴やパーティースタッフの派遣から障がい者の就労支援まで、多くの事業を展開しています。

 そのなかのひとつとして、外国人人材サポート業を始めたのは8年前のこと。それ以前から、外国人労働者の受け入れをサポートしてほしいという誘いを受けることはありましたが、宮之原さんには乗り気になれない理由がありました。

「私の勝手な思い込みだったのですが、技能実習生制度というと、奴隷制度のようなイメージがとても強かったんです。外国人労働者の人権を無視したような扱いをする事業者の話題をメディアで見かけることが多く、『人を物として扱いたくない。働いてもらう以上は、夢と希望が持てる職場にしたい』と思っている私には正直、あまりいい印象がありませんでした」

 そんな宮之原さんの誤解が解けたきっかけは、群馬県での講演会に講師として呼んでもらったときのこと。技能実習生たちが、入国して必ず受ける1か月の日本語学校でのセミナーの様子を、たまたま見学させてもらえました。

宮之原明子さん【写真:Hint-Pot編集部】
宮之原明子さん【写真:Hint-Pot編集部】

「そこでは、ベトナムから来た技能実習生が瞳をキラキラと輝かせて働いていて、すぐに笑顔に“やられて”しまいました。ちょうどそのときは青森県から届いたリンゴを仕分けていて、日本で働く800人の実習生たちへ配るために取り寄せたものだと知りました。毎年、必ず実習生たちに送っていて、みんなとても喜んでくれるのだそうです。そんな、日本で組合を運営している人たちの実習生たちへの愛情を知り、私もこの事業をやりたいと思うようになったんです」

 さっそく宮之原さんは翌月、受け入れる技能実習生と面接をするために、ベトナムの首都・ハノイへと飛びました。そこから話はとんとん拍子で進み、第一陣はすぐに日本へやってくることに決まりました。