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仕事・人生

ホストファミリーは先住民族 33歳で取締役に抜擢された女性がキャリアに生かした留学経験

公開日:  /  更新日:

著者:河野 正

チーフ・コーポレート・セールス・オフィサーの武隈知世さん【写真提供:トライズ株式会社】
チーフ・コーポレート・セールス・オフィサーの武隈知世さん【写真提供:トライズ株式会社】

 日本の英語教育を抜本的に変えたい――。そんな思いを抱き、英語コーチングスクール「TORAIZ(トライズ)」を運営するトライズ株式会社(以下、トライズ)にて、33歳の若さで取締役CCSO(チーフ・コーポレート・セールス・オフィサー)としてコーポレートセールス部門を統括しているのが、武隈知世さんです。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。武隈さんがどのようなキャリアを積んできたのか、その軌跡について話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

英語を軸にキャリアチェンジ 最年少で取締役に

 武隈知世さんは2023年2月、33歳(当時)の社内最年少で取締役CCSOに就任したコーポレートセールス部門で、陣頭指揮をとっています。得意の英語を生かし、一見スムーズにキャリアを積んできたかのように映りますが、現在に至るまでには3度のキャリアチェンジとマインドセットの転換がありました。

 大学卒業後、地元の奈良県で求人広告の営業会社に就職し、社会人としてのキャリアをスタート。会社で得意の英語を活用することはありませんでした。

「自分のストロングポイントである英語を生かし切れないのは残念というか、もったいない気がしましたね。やっぱり、語学力を発揮できる職種でチャレンジしたいという思いが募ってきたのです」

 およそ3年勤めたあと、飲食系のベンチャー企業へ転職。1度目のキャリアチェンジでした。海外進出を計画しているレストランチェーンだったため、持ち前の語学力を発揮できたといいます。チェーン店の立ち上げのため、シンガポールや香港など現地に何度も赴くことがありました。英語を生かした仕事をすればするほど、武隈さんにはある思いが芽生えてきたといいます。

「日本の飲食業界は英語と日本語の両方を上手に使いこなす人材が少ないと痛感しました。日本人や日本の企業が海外進出するためにも、英会話が堪能な日本人が増えればいいな、そういう人を増やしていきたいなと考えるようになったのです」

 そんな思いから、英語に触れる日常を生業にしたいとより強く感じた武隈さんは、教育事業に関心を持ち始めます。

教育事業会社に転職「英会話が堪能な日本人を増やしたい」

教育事業に関心を寄せる武隈さん【写真:トライズ株式会社】
教育事業に関心を寄せる武隈さん【写真:トライズ株式会社】

 2度目の転職先として、英語によるコーチング事業を行うトライズ株式会社(旧トライオン株式会社)へ。2017年3月に入社し、当初は受講生の英語のレッスンと学習を管理、サポートするコンサルタントとして従事していました。

 その後、2019年1月に28歳で事業本部の営業部長、2021年5月には執行役員、マーケティング・セールス部長に就任。出世街道をとんとん拍子でひた走っていきました。順調すぎる毎日を過ごしていると、今度は自分自身の力を試してみたくなったといいます。

「これまでベンチャー系の3つの企業で働いてきましたが、自分が大手企業の中でどれくらいできるのかトライしてみたくなりました」