仕事・人生
新卒1年半で退職し現在は起業家に アイデンティティが作られた幼少期や大学時代の過ごし方とは
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カラフルで見た目もかわいいと話題の低アルコールカクテル「koyoi」。体に優しいナチュラル製法で、お酒に強くなくてもおいしいお酒を楽しめると今、若い女性を中心に評判になっています。そんなカクテルをいちから作り上げ、製造販売を行う株式会社SEAMを経営しているのが石根友理恵さんです。強くて濃い、そして酔えるお酒が主流だったなか、なぜこの低アルコールカクテルが生まれたのでしょうか。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。前編では、石根さんのアイデンティティが作られた幼少期や大学時代を中心に、新卒で入社した株式会社サイバーエージェントを辞めた理由について話を伺いました。
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堅い家庭で育った幼少期 “自立”への強い思いが芽生えたワケ
石根さんが生まれ育ったのは、世界で最初の被爆地となった広島県。毎年、8月6日の朝8時15分にサイレンが鳴り響く地域で育った石根さんは、戦争や平和について考える機会が多く、中学・高校時代はNPO法人で歴史継承の活動に参加しました。大学時代は卒業論文のテーマとして終戦前後の報道のあり方について研究するなど、自身のDNAにしっかりと刻まれているといいます。
そんな石根さんの父は公務員、母は専業主婦という「割と堅い家庭」で育ち、子どもの頃から一貫して周囲から「変わっている」と言われ続けてきたそう。
「学校っていろんなコミュニティがあって、グループが存在するじゃないですか。私自身は、そういったグループの中心的存在ではなかったのですが、なのにみんなとは少し違っていたので逆に目立ってしまうというか、そんな感じでしたね(苦笑)」
中学・高校の6年間を、地元の進学校である女子校で過ごした石根さん。「周りはみんな頭が良くて、すごく真面目でした。私は全然優等生でもなかったし」と話す一方、「やると決めたらとことんやるタイプというか、やらないと気が済まない性格だったので、いろんなことをやっていました」と振り返ります。
小学生から高校生までガールスカウトの活動に精を出し、演劇部では演技に励む。自分の興味があることに対しては、猛烈に突き進むような10代だったといいます。
ただ、そのなかでも家庭や学校の環境が「あまり自由ではないな」と感じていました。そこで「自分はこの先、自分ひとりでも、どういう環境でも、自分自身で生きていけるようになりたい」と幼い頃から強い“自立心”を持っていたと振り返ります。