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詐欺と気づかず「生活費をすべて振り込んでしまった」 副業トラブルの手口を消費者庁が注意喚起
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副業やダブルワークをする人が増えるなか、手軽に副収入を得たい人をターゲットにした犯罪も増加しています。「消費者庁『18歳から大人』」の公式X(ツイッター)アカウント(@caa_18sai_otona)は、副業トラブルを招く手口を紹介し注意を呼びかけています。
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振り込みを求められたら詐欺を疑う
「隙間時間に気軽に稼げるなどと謳う副業トラブル!」との書き出しの投稿。甘い言葉に騙されないよう、注意喚起する文章が綴られています。近年、消費生活センターなどでは「簡単なタスクを行う副業に関するトラブル」の相談が増加しているとのことで、副業広告などを使った詐欺の可能性を指摘。安易に個人情報を開示しないよう呼びかけました。
添えられたリーフレットでは、副業を謳うSNS広告で誘い、お金を騙し取る手口についてイラストを交えて説明しています。
【SNSなどの副業広告からお金を騙し取る手口】
1. SNSの広告などから副業サイトに遷移する
2. 副業サイト内でメッセージアプリの友だち登録をする
3. メッセージアプリ上で紹介され、タスク(作業)を行う。タスク後にさまざまな口実で銀行口座への振り込みを要求される
振り込みを求める口実として、「タスクを行うためには事前に振り込みが必要です」「タスクに失敗しています。処理費用が必要になります」「タスクの報酬を引き出すためには、手数料の振り込みが必要です」などの例文も紹介されています。
また、こうした被害を防ぐためのポイントを次のように挙げ、注意を呼びかけました。
○「簡単に稼げる」「もうかる」ことを強調する広告を鵜呑みにしないようにしましょう!
○相手方に安易に個人情報を開示しないようにしましょう
○お金を稼ぐはずが振り込みを求められたら、消費生活センターなどに相談を!
「あなたのミスでチーム全員が損をした」などと高額な支払い請求も
副業を謳うSNS広告を使った手口によって、具体的にどんな被害が起こっているのでしょうか。添えられたリンク先には、消費生活センターに寄せられた相談事例が掲載されています。
「子育てしながらできる副業を探していた。SNSで『動画SNSを観るだけで報酬を得られる』という広告を見てメッセージアプリ経由で申し込んだ。相手方の名前や連絡先はわからない。指示通りにタスクをこなし数百円を受け取った時点で『高額報酬のタスクがある』と誘われ、指示されたアプリに登録し、指示された1万円を支払った。4人1組でチームになり、全員同じデータを入力すると、事前に支払った1万円に報酬を上乗せした1万数千円が振り込まれた。
次に3万円を振り込み、データを入力したあとで『あなたのミスでチーム全員が損をした』と言われた。その処理費用に15万円が必要と言われたため、指定された口座に振り込んだ。さらに『次のタスク完了で戻ってくるから』と言われて約40万円を口座に振り込んだ。タスクは完了したが報酬等を引き出すためにはさらに約70万円が必要と言われ、おかしいと気づいた。振り込み先口座はほぼすべて異なる個人名口座だった。報酬を得るためと言われ、生活費をすべて振り込んでしまった」(2024年5月/受付/30代・女性)
心理的なハードルが低い少額で成功体験をさせるのは、騙される人か犯罪者が見極めるテスト。少ない金額とはいえ、お金を払ってしまうと“カモ”と見なされてしまうのです。
「うまい話には裏がある」ということわざがあるように、自分に都合の良い話が持ちかけられたら疑うことが大切です。違和感を覚えたら、すぐにやりとりをやめて、まずは身近な人に相談しましょう。
(Hint-Pot編集部)