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仕事・人生

異業種へキャリアチェンジした元CA コロナ禍で受けた影響をポジティブに感じられたワケ

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・鍬田 美穂

CAから未経験の広報にキャリアチェンジした平岡玲奈さん【写真提供:株式会社Unito】
CAから未経験の広報にキャリアチェンジした平岡玲奈さん【写真提供:株式会社Unito】

 元客室乗務員(CA)の平岡玲奈さん。就職活動で競争を勝ち抜き、憧れの仕事に就きましたが、現在はまったく異なる業界で広報として働いています。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。前編では、航空業界が大きな影響を受けたコロナ禍に平岡さんが社内制度を活用し、新たな経験ができたことについて伺いました。

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希望を叶えて国内航空会社に入社 25歳で転職し国内大手系列の国際線CAに

 不動産関連のスタートアップ企業で広報として働いている平岡さん。前職は学生時代の夢を叶え、CAとして活躍していました。

 当初は別の職業にも憧れを持っていた平岡さんでしたが、宇宙や航空業界にまつわるコンテンツに接するうち、CAを目指したといいます。父が長崎出身だったことから、九州・沖縄を中心とした路線を持つに航空会社入社。国内路線で、CAの経験を積みました。

「“飛行機に毎日乗って仕事をしている自分”が、何よりとても新鮮でした。今日は宮崎、明日は沖縄と、毎日違う場所にいたので、文字通り足が地についていない感覚に慣れるのも大変だった気がします」

 学生時代から韓国語を学び、東南アジアにも熱を感じていたという平岡さん。その後、「フライトタイムが長い路線で空の旅をお手伝いしたい」と思うようになり、25歳で東南アジア・リゾート路線を展開する国内大手系列に転職。国際線のCAになりました。同じCAの仕事でも、日本人客が中心の国内線と異なり戸惑うこともあったそう。

「フライトが長くなる分、提供するサービスはもちろん、不測の事態への対処の心がまえも異なります。たとえば機内でお客様の体調が悪くなった際、どこにでも着陸できるわけではありません。そうした環境でも空の旅を安全に楽しんでいただくために、どう行動するかなど、戸惑いつつも自身のプロフェッショナルとしての意識が向上するのを実感できました」

 そうして充実したキャリアを築いていた平岡さんですが、社会環境の変化により大好きな仕事の状況が一変します。

コロナ禍でフライトは月1回に 先行きが不透明ななかでアルバイトも

 国際線CAになって1年が過ぎた頃、新型コロナウイルスによるパンデミックが社会情勢に大きな影響を与えました。多くの人の生活に変化をもたらしましたが、そのなかでも航空業界は大打撃を受けた業態のひとつです。

 そうした状況下で、平岡さんは「2020年からは、月に1度しかフライトの仕事がない状態」になったといいます。

「もともと副業はOKで、空いた時間に飲食店でアルバイトをするようになりました。ただ、先行きが見えないのはつらかったですね」

 見通しが立たないなか、平岡さんがいた航空会社では、2021年4月頃に社外出向制度の募集を開始。さまざまな業界・業種の出向先から「スタートアップ・新規事業創出支援」に強く惹かれたといいます。

 平岡さんの友人にはスタートアップ業界で働く人が複数いて、友人たちの話から刺激を受けることも多かったそう。違う業界で自身の可能性を広げてみたい気持ちに加え、「フライトができない不安を、新たな挑戦でポジティブな気持ちに変換できるかもしれないと思いました」と応募を決めました。