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冷蔵庫の大きさは消費電力に関係ない? 電気代ロスにつながる勘違いとは ファイナンシャルプランナーが教える節電術
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著者・教えてくれた人:飯村 久美
365日24時間稼働している、生活に欠かせない冷蔵庫。資源エネルギー庁によると、冷蔵庫は「家庭における家電製品の一日での電力消費割合」で見たとき、夏場は17.8%にもなり、エアコンに次いで2番目に電力を消費している家電です。毎日使っているものですが、どうすれば節電できるのでしょうか。家計の管理や節約に詳しいファイナンシャルプランナーの飯村久美さんにお聞きしました。
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小さめ冷蔵庫を選ぶとかえって電気代がかかる
電気代が多くかかりそうだからと思い込み、我慢して小さめの冷蔵庫を選んだ経験はないでしょうか。
実は、小さい冷蔵庫だからといって電気代が安いとは限らないのです。環境省の省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」という消費電力を調べられるサイトによれば、ファミリータイプの大型冷蔵庫と小型や中型の冷蔵庫を比較した場合、大型冷蔵庫のほうが電気代が安い場合もあることがわかります。
同じメーカーで、冷蔵庫の容量別の価格を比較してみましょう。
某メーカーの170リットルの小型冷蔵庫は、年間消費電力量が306kWhで、年間の電気代は約9500円です。中型の356リットルの冷蔵庫は、同様に330kWhで約1万200円です。
ところが、それ以上大きいサイズになると消費電力量が小さくなります。465リットルの大型冷蔵庫で、年間消費電力量は253kWh、年間電気代は約7800円になります。さらに大きい507リットルの冷蔵庫でも、同じような消費電力量と電気代です。
小型冷蔵庫や中型冷蔵庫よりも、大型冷蔵庫のほうが電気代を抑えられるのは意外ですよね。もちろん製品によって異なるため、事前に「しんきゅうさん」で確認するのもおすすめです。
15年前の製品と比べると、買い替えは電気料金の節約になる
また、節約のつもりで同じ冷蔵庫をあまりに長く使い続けるのも、電気代のロスにつながるおそれがあります。
資源エネルギー庁によれば、冷蔵庫は15年前の製品と比べると消費電力が半分になり、年間約9500円の電気料金の節約になるといいます。2005年度の401~450リットルクラスの冷蔵庫の年間消費電力量は608kWh。2020年度には300kWh程度と、半分以下なのです。
近年では、省エネ家電に買い替えると補助金を出す自治体も増えています。筆者も東京都のゼロエミポイントでエアコンの買い替えを行い、1台2万3000円分のポイントがもらえました。ぜひ、お住まいの自治体の制度を調べてみてください。
※記事中の電気料金は、2024年9月時点の東京電力の電気料金をもとに算出しています。
(飯村 久美)
(Hint-Pot編集部)
飯村 久美(いいむら・くみ)
金融機関在籍中にファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得。2006年FP事務所アイプランニングを開業。これまでの家計診断は1100世帯を超え、家計の健全化をサポート。セミナー講師コンテスト「E-1グランプリ」第3回大会ではグランプリを受賞。著書に「子どもを持ったら知っておきたいお金の話」(KADOKAWA中経出版刊)「年収300万円でもラクラク越えられる『貯蓄1000万円の壁』」(KADOKAWA刊)などがある。