仕事・人生
元CAが異業種へキャリアチェンジ 未経験で試行錯誤するなか生かせている経験とは
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新米広報として試行錯誤の日々
未経験でも平岡さんを広報として採用してくれたのが、不動産系のスタートアップ企業の株式会社Unito(ユニット)です。平岡さんは同社で、SNS運用や取材、メディア対応など広報業務を幅広く担当。スタートアップでは未経験者が1人で広報を担当するケースは珍しくなく、担当役員と相談しながら施策を考えているそう。
同社では大手不動産会社とも協業し、賃貸物件のオーナーが空いている部屋を民泊に提供。宿泊希望者が手軽に利用できるだけでなく、物件の所有者は「賃貸と宿泊の二毛作経営」により、稼働率や収益を向上できる新たな仕組みを提供しています。
また、同社の提供するサービスのひとつ「リレント」では、賃貸居住者が帰宅しない日を申請すると民泊施設として活用し、家賃が減額されるシステムも。出張が多いなど家で過ごすことが少ない人は、家賃を固定費ではなく変動費とすることが可能だといいます。
5月に入社したばかりで慣れないことが多く、試行錯誤の毎日だという平岡さん。SNS運用以外にも、過去の経験が糧になっていることがあるそうです。
「8年間CAの仕事をするなかでお客様目線を大切にしてきたことが、情報発信に役立っています。また、出向先での経験があったから、入社後にカルチャーギャップを感じることもなかったですね」
もしもコロナ禍がなかったら…
CAという、やりがいを感じていた仕事から、新たなフィールドにキャリアチェンジした平岡さん。コロナ禍がなければ、別のキャリアパスがあったと感じているのでしょうか。
「確かに新型コロナウイルスがなければ、CAとしてキャリアを重ねたかもしれません。年齢やライフステージに合わせて、異業種へのチャレンジをしない選択をした可能性もゼロではないです。ただ、まったく同じではないかもしれませんが、おそらく同様の選択をしたのでは……と思います」
そう語る平岡さんは、コロナ禍で中断したとはいえ8年間CAとして空の仕事を続け、やり切った気持ちがありました。また、大きな影響のなかで「出向や兼務を含めて働き方が再定義され、多くの選択肢が見えた」のは、専門職であるCAには得がたい体験だったと振り返ります。
「私は図らずもコロナ禍で、出向などさまざまな経験ができました。CAに限らず専門職にこそ、ライフステージに合わせたキャリアの選択ができる環境が必要なのかもしれませんね」と話し、自身が受けた影響をとてもポジティブにとらえているようです。
(Hint-Pot編集部・鍬田 美穂)