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「別々に食べたほうがおいしい」 フランスの朝ごはんで欠かせない習慣 日本人女性が慣れなかったこととは

公開日:  /  更新日:

著者:Moyo

クロワッサンはそれほど存在感がない

 フランスといえばクロワッサンでは? と思うかもしれませんが、私がお世話になった家庭や友人宅では、平日も休日もほぼ出てきませんでした。ブーランジェリーでも売られていますが、そこまで大々的な数が出ているわけではなく、あくまでもほかのペイストリーと同じ扱い。そこまで存在感があるわけではなく、ちょこんと並んでいるだけです。

 むしろ、アーモンドクロワッサンなどの変化系のほうが目立ちます。ブーランジェリーでほかのお客さんを観察していると、やはり甘党なのかパン・オ・レズン、チョコの入ったスイスなどに手が伸びている様子です。また、ごはんのおともであるバゲットを数本~10本買い溜めしていく人ばかり。思えば、クロワッサン自体を買いに来ている人は、まだ見かけたことがありません。

 もちろんカフェやホテルに行けば食べることもありますし、メニューにもありますが、実生活では意外に優先的ではないことに驚きました。

何もかも浸すのがデフォルト

 以上の朝ごはんで一番驚いたのは、とにかくなんでもかんでもホットミルクやコーヒーに浸して食べること。この習慣がクロワッサンで行われていることは、イギリスで出会ったフランス人の友人などから知っていましたが、パン・オ・ショコラ、ビスコットなどおかまいなしなのは知らずびっくりです。

「ビスコットはその硬さを味わうのがミソなのでは」とか「ペイストリーにのせたバター&コンフィチュールなどの油や、味がすべて落ちたミルクはおいしいのだろうか」など、余計なことが気になってしまいます。ところが、彼らはそれらの心配を跳ね返すほど、きれいさっぱり食べて飲み干します。

 果たしてそんなにおいしいのだろうかと、見様見真似で私もトライしました。しかし、脂肪分たっぷりのハーモニーにやはり慣れず、別々に食べたほうがおいしいと思い、すぐにやめました。一方で、フランスへ遊びに来た姉はこのハーモニーを気に入ったようで、滞在中ずっとフランス式朝ごはんを楽しんでいました。人によるところが大きいと思います。

 現在は無理せず、普通のシリアルやグラノーラ、リ・オ・レといったほどほどの甘さを楽しみつつ、朝食としてお腹に溜まるものを選ぶようにしています。

(Moyo)

Moyo(モヨ)

新卒採用で日本の出版社に入社するも、心身ともに疲弊し20代後半にノープランで退職。それまでの海外経験は数度の旅行程度だったが、イギリスへ語学留学ののち移住した。そのまま、あれよあれよと7年の月日が経ち、現在はフランスに在住。ライター、エディター、翻訳家、コンサルタントとして活動している。最近ようやくチーズのおいしさに少し目覚める。